2025-05-28 コメント投稿する ▼
気象庁が津波情報に「欠測」を追加 観測不能も明示し避難判断を支援へ
津波観測に「欠測」情報が追加 避難判断を支える新たな一手
気象庁は、2025年7月24日正午から、津波観測の情報に「欠測」という新しい区分を導入する。これは、観測機器の異常や地形変動などによりデータが取得できない場合、その事実を明確に伝えるためのものだ。情報の「空白」をあえて発表することで、住民の避難判断をより正確に導く狙いがある。
「欠測」とは何か 観測不能でも危険は存在
地震発生後、気象庁はおよそ3分で津波警報や注意報を発表する。通常、その後に津波の到達時間や高さ、沿岸での実際の観測値が続いて発表される。しかし、新たに導入される「欠測」は、津波の有無にかかわらず、データ自体が得られない場合に表示される。原因としては、津波観測装置の故障、通信障害、観測機の損壊、または地盤の隆起や沈下による位置的問題などが挙げられる。
能登半島地震が教えた観測の限界
2024年元日に発生した能登半島地震では、珠洲市長橋の観測点で津波のデータが得られず、輪島港でも途中から観測が途絶えた。後の調査で、これらの観測点は地盤の急激な隆起によって観測不能になっていたことが判明した。実際、珠洲市では海底が持ち上がり、観測装置の下から海水が消えてしまったのだ。このような事例は、観測値が無い=津波が来ていない、という誤解がいかに危険かを物語っている。
「見えない」情報も避難の判断材料に
これまでは、観測データが届かない地点について報道されることが少なく、住民が「津波が来ていない」と誤解し、避難を中断するリスクが指摘されていた。今回の「欠測」表示により、「観測できないだけで、実際には津波の危険がある」という認識が共有されるようになる。気象庁は、「情報が欠けていること自体を知らせる」ことで、避難を続ける根拠を住民に提供する方針だ。
今後はテレビやラジオの緊急放送、スマートフォンの警報通知などで「欠測」情報が発信される見込み。テレビ朝日などの報道機関も、視聴者にわかりやすく伝えるための方法を検討している。
SNSでの声も注目
ネット上ではこの新たな取り組みに対して肯定的な意見が目立つ。
「データが無いことを逆に知らせてくれるのはありがたい。逃げ続ける判断材料になる」
「能登地震のとき、観測できてないからって安心してた人多かった。これは大事な仕組みだと思う」
「“欠測”って最初は不安になる言葉だけど、意味を知るとすごく重要なことに気づける」
「何も観測されてないって表示されるより、“観測不能”って出た方がずっと現実的でいいね」
「欠測=安全じゃないって意識が広がってほしい。気象庁GJ!」
* 気象庁が2025年7月24日から「欠測」情報の運用を開始
* 津波観測点でデータが得られない場合に表示される
* 能登地震では地盤隆起により観測不能となる事例が発生
* 「欠測」情報は避難継続の判断材料として重要
* 報道機関も正確かつ分かりやすい伝達手段を模索中