2025-05-27 コメント投稿する ▼
外国人バス・タクシー運転手の日本語要件緩和へ 国交省がN4基準を検討、運転手不足に対応
外国人ドライバーの受け入れ拡大へ 日本語基準の見直しで運転手不足に対応
バスやタクシーなど公共交通を支えるドライバーの不足が深刻化する中、国土交通省が新たな対応策に乗り出す。外国人労働者を対象とした在留資格「特定技能」について、これまでよりも緩やかな日本語能力基準を設ける方針が明らかになった。現行の「N3」から「N4」への引き下げを検討しており、より多くの外国人が日本で運転業務に就けるようになる見通しだ。
人手不足の業界に活路 「N3」から「N4」へ緩和
現行制度では、外国人が日本でバスやタクシーを運転するには、日本語能力試験で「N3」以上のスコアが必要とされていた。「N3」は日常生活での会話や簡単な文章の理解を前提としているが、これが参入のハードルになっていると指摘されてきた。今回、政府が検討している「N4」は、その一段階下のレベルで、より基本的な会話や読み書きができる水準となっている。
制度緩和によって、外国人労働者の受け入れを広げ、交通業界の人手不足の緩和につなげたい考えだ。バスやタクシーは地域の生活インフラとして重要であり、特に地方では担い手の確保が急務となっている。
特定技能制度の概要と運送業界への適用
「特定技能」は2019年に創設された在留資格で、介護や建設、農業など14業種にわたって導入されている。外国人がこの資格で就労するには、業種ごとの試験に加え、日本語能力も一定水準が求められる。自動車運送業への適用は2025年から本格化しており、今回の要件緩和はそれに向けた制度整備の一環とされる。
運送業で働く外国人には、日本の運転免許(バス・タクシーは第二種免許)の取得や、事業者による新任研修の受講など、一定の準備も求められる。日本語能力を緩和しても、安全運転や接客に必要な教育は継続して行われる予定だ。
ネットで広がる賛否の声
今回の方針に対して、ネット上では賛否が分かれている。肯定的な意見としては、次のような投稿が見られた。
「地方ではマジで人手が足りない。外国人に頼らざるを得ないよ」
「日本語が苦手でも運転技術があれば問題ない場面も多い」
一方で、慎重な立場の声も少なくない。
「事故やクレーム対応を考えると、日本語のレベルを下げるのは不安」
「N4って、最低限の会話しかできないよね。大丈夫かな?」
「給料上げて日本人の雇用を確保するのが先じゃないの?」
安全性やサービスの質を懸念する声のほか、外国人雇用の拡大による国内労働者への影響にも注目が集まっている。
今後の課題と制度運用の行方
日本語能力の基準を緩和することで受け入れの裾野は広がるが、同時にコミュニケーションの問題やトラブル対応など新たな課題も生まれうる。国交省は今後、事業者と連携して研修内容の見直しや事故時の対応フローなどを整備していくとみられる。
高齢化や過疎化が進む地方では、外国人ドライバーの活用が地域交通維持の鍵を握る可能性もある。一方で、制度の急拡大に伴う混乱を防ぐためには、きめ細やかなサポート体制と、安全面への配慮が不可欠だ。