2025-04-06 コメント投稿する ▼
ETC大規模障害、16路線・96料金所に拡大 中日本高速「深夜割引システム改修が原因か」
中日本高速によると、前日5日に実施したシステム改修作業が原因と見られており、現在は復旧作業が急ピッチで進められている。ETC関連のトラブルとしては、2005年の道路公団民営化以降、初の大規模な障害となった。
- 発生日時:4月6日午前0時半ごろ
- 対象地域:東京、神奈川、静岡、山梨、愛知、岐阜、三重の1都6県
- 影響範囲:16路線・96料金所、スマートICの一部閉鎖も
- 原因:深夜割引制度の見直しに伴うシステム改修作業との関連が濃厚
- 対応:料金所をそのまま通過可能にし、後日精算へ
- 利用者への呼びかけ:専用サイトから精算手続きが必要
- 渋滞と事故:一部で6キロ以上の渋滞、事故も発生
- 国交省:早期復旧と原因究明を指示
「心よりおわび申し上げます」中日本高速が謝罪
中日本高速は6日夕方に記者会見を開き、中井俊雄・保全企画本部長が「多くの皆さまに多大なご迷惑をおかけしました。心よりおわび申し上げます」と頭を下げた。
問題の発端は、7月に予定されているETC深夜割引制度の見直しに備えたシステム改修作業。この改修の影響で不具合が発生した可能性が高く、現在は「障害発生前の状態」に戻す作業を進めているという。外部からのサイバー攻撃などは確認されておらず、あくまで内部的な技術的トラブルとみられている。
現場は混乱、料金所で手作業の精算も
ETCが利用できなくなった料金所では、係員が手作業で料金を収受する対応に追われた。ところがそれが渋滞の原因となり、一部の路線では6キロ以上の渋滞が発生。ドライバーからは「こんな時に限って時間がない」「出口が混雑で動かない」といった声が相次いだ。
こうした事態を受け、NEXCO中日本は午後に方針を変更。料金所をそのまま通過させ、後日インターネット上で精算する方式に切り替えた。利用者は、同社の公式サイトに掲載されたQRコードから専用ページにアクセスし、手続きを行う必要がある。
スマートIC閉鎖も、影響は長期化?
今回のトラブルでは、ETC専用のスマートインターチェンジ(SIC)の一部も閉鎖された。スマートICは人員を配置しない運用が基本のため、ETCが使えなければ自動的に通行不可となる。
この障害が長期化すれば、ゴールデンウィークなどの大型連休を控える中で、さらに混乱が広がる可能性もある。国土交通省も事態を重く見ており、中日本高速に対して早急な原因究明と再発防止策の提示を求めている。
95%超がETC利用、インフラ依存の現実
ETCは2001年に本格導入されて以降、渋滞緩和や人件費削減を目的に全国へ普及してきた。国交省の最新データによると、2024年1月時点でETCの利用率は95.3%。いまや日本の高速道路交通の根幹とも言えるインフラだ。
その分、今回のような障害が及ぼす影響は極めて大きい。利用者の利便性と安全をどう確保するか、そして技術的な信頼性をいかに担保するかが、改めて問われている。