2025-04-04 コメント投稿する ▼
老朽港湾、対応急務 堀川議員が人員増と予算拡充を要求 国交相も体制強化に言及
現在、全国の港湾施設は老朽化や機能の陳腐化が深刻化している。一方で、こうした施設の維持や改修を担う技術系の職員は年々減少しており、港湾管理の現場では人手不足が顕在化している。
堀川氏は、「技術職員が不足しているため、定期的なメンテナンスすら十分に行えない港が増えている。これまでの人員削減方針を見直す必要がある」と指摘。特に、技術職員が一人もいない港湾管理者(自治体)が全国に22あるという事実を示し、維持管理が本当に機能しているのか疑問を呈した。
これに対し、国土交通省の稲田雅裕港湾局長は「現場では民間のコンサルタントの支援を受けながら対応しているのではないか」と述べたが、堀川氏は「推察ではなく、実態をきちんと把握すべきだ」と迫り、国による体制強化の必要性を重ねて訴えた。
国交省が策定している「インフラ長寿命化計画」では、2019年度から今後30年間に必要な維持管理や更新費用を全体で180兆~190兆円と見込んでおり、そのうち港湾分野だけでも6兆~8.3兆円が必要とされている。
堀川氏はこの点にも言及し、「地方自治体からも予算不足を訴える声が多く寄せられている。インフラ全体の老朽化が進んでいく中で、資材価格の高騰も重なっており、当初の試算は現実に即していない可能性がある」とし、国として改めてビジョンを示すよう求めた。
中野洋昌国土交通大臣は、「確かに、国の港湾技術職員も減少傾向にある。人材の確保と育成には全力を尽くす」と答え、今後の見直しも検討する姿勢を示した。
なお、港湾の老朽化対策として、国は技術職員の支援策や情報の電子化、点検作業の合理化を進めている。また、防災・安全交付金などを通じて地方自治体の維持管理業務を財政的に下支えしている。
- 全国の港湾施設で老朽化が進行。技術職員の不足が深刻化。
- 技術職員がゼロの自治体が22にのぼる。
- 国交省は民間の力を借りた対応を示唆。
- 堀川議員は「実態の把握と人員増が必要」と訴え。
- 国の試算では港湾関連で6兆~8.3兆円の更新費が必要。
- 資材高騰などを踏まえ、将来推計の見直しも議論に。
- 中野国交相は「体制強化と技術職の確保に取り組む」と答弁。
老朽化する港湾は、物流や防災の観点からも国民生活に直結するインフラである。現場の人手と予算の不足をどう補うか。今後の国の対応に注目が集まっている。