2025-04-09 コメント投稿する ▼
維新、薬価改定で真っ二つ 「野党路線」か「与党連携」か 前原氏と与党派が激突
維新は今年度(令和7年度)の予算案に賛成したばかりだが、その直後から路線をめぐる争いが表面化し、党内に再び火種がくすぶり始めた。
薬価「毎年改定」の見直し法案とは
医薬品の公定価格である薬価は、これまで2年に1度見直されてきた。しかし政府は令和3年から「毎年改定」へと方針を変更。背景には薬価の適正化による医療費の抑制があるとされる。
立憲民主党と国民民主党は、「医薬品不足が深刻化している一因は、毎年改定で製薬業界の採算が合わなくなっているためだ」として、従来の2年ごとの改定に戻す法案を提出した。
「3党協議」への影響を懸念する自民
この法案について、9日には自民党の坂本哲志国対委員長と維新の漆間譲司国対委員長が協議。関係者によると、坂本氏は「維新がこの法案に賛成すれば、社会保険料改革を協議中の自公維の3党協議に影響が出る」と懸念を示したという。
この発言が維新内の緊張を一気に高めた。前原氏は同日の役員会で「われわれが少数与党であることを理解していない暴言だ。絶対に容認できない」と強く反発。さらに、党幹事長の岩谷良平氏に対し、自民党の森山裕幹事長へ正式に抗議するよう指示した。
役員会での議論は1時間半以上に及んだが、最終的には幹事長と政調会長に対応を一任する形で決着した。
「ルビコン川を渡った」与党派と前原氏の溝
前原氏は「個別の法案対応と、3党協議の関係は切り離して考えるべきだ」との立場だが、党内では不満がくすぶる。
とくに、与党との協調路線をとるグループからは「せっかく予算に賛成して得た協議の場を壊してどうするのか」という声が上がっている。ある維新の重鎮は「われわれはすでに“ルビコン川”を渡った。与党側から成果を引き出すべきだ」と語り、前原氏に対して方針転換を促している。
維新の立ち位置、改めて問われる
今回の対立は、維新が今後「野党としての自立路線」を進めるのか、それとも「与党との連携で政策実現を目指す」現実路線を取るのか、その分岐点となりそうだ。
党内では「野党らしさを失えば支持層が離れる」との声もあれば、「野党では限界がある。与党との連携でしか前に進めない」とする現実主義の意見も根強い。
揺れる維新。今後の国会対応次第では、党内の亀裂がさらに深まる可能性もある。
- 維新は薬価改定法案への対応を巡って「野党派」と「与党派」で対立
- 立国提出の法案は、薬価改定を従来の2年に一度に戻す内容
- 自民・坂本氏が「法案賛成なら3党協議に悪影響」と懸念を表明
- 前原氏がこれに強く反発し、森山幹事長への抗議を指示
- 与党派は「ルビコン川を渡った」として与党連携を維持すべきと主張
- 維新の立ち位置が問われる中、党内の路線対立は収束の気配なし