2025-08-17 コメント投稿する ▼
自民党政局のカギ握る麻生太郎氏 総裁選前倒し論の中で注目集める派閥の行方
自民党政局のカギを握る麻生太郎氏
自民党で総裁選の前倒しが取り沙汰されるなか、党内で唯一派閥を存続させている麻生太郎最高顧問(麻生派)の動向に注目が集まっている。麻生氏の元には「ポスト石破」を狙う有力議員が次々と足を運び、支持の取り付けを急いでいる。ただし麻生派は過去2回の総裁選で候補者の一本化を見送り、派内の結束が不十分なまま投票に臨んだ経緯があり、今回も一枚岩になれるかは焦点だ。
7月23日には、麻生氏が菅義偉・岸田文雄の両前首相とともに石破茂首相と会談し、「石破自民党では選挙に勝てないことが明らかになった。対応すべきだ」と迫ったとされる。首相に対して「退陣」という直接的な表現は避けたものの、政権の行方を左右する発言として受け止められている。
「麻生さんが動くと一気に流れが変わる」
「石破首相と麻生氏の因縁は根深い」
「派閥を残したのはやはり力の源泉だ」
「結局は自民党内の数合わせに尽きる」
「国民から見れば政局ゲームにしか映らない」
派閥存続の重みと存在感
派閥パーティー収入不記載事件を契機に、安倍派をはじめ多くの派閥が解散に追い込まれた。その中で麻生派は存続を決定し、現在も43人の所属議員を抱える。党全体の所属議員数295人のうち約15%を占めるこの「塊」は、総裁選において決して無視できない勢力である。
昨年の総裁選では候補者の一本化を見送ったが、決選投票では麻生氏が高市早苗氏を支援したとされ、最終局面での影響力を示した。派閥を解散した他のグループと異なり、組織的な投票行動を残している点が、今回も政局の行方を左右する鍵となる。
ポスト石破候補との接触
「ポスト石破」を狙う有力議員らは、こぞって麻生氏との関係強化に動いている。高市早苗前経済安保担当相は7月下旬に、農林水産相の小泉進次郎氏は今月初めに麻生氏を訪問。茂木敏充前幹事長も会合を重ね、支持を得ようと必死だ。
一方で、麻生派には河野太郎前デジタル相も所属しているが、派内幹部は「誰か担ぐとしても河野氏はない」と語り、政策面やスタンスの違いから一本化は難しいとの見方が出ている。
首相の続投姿勢と麻生氏の判断
石破首相は強まる退陣圧力に対し、日米間の関税交渉を理由に「当面続投」の姿勢を崩していない。自民党の党則6条4項では、国会議員と都道府県連代表の過半数が要求した場合に総裁選を行うと規定されており、前倒しを実現するには要件を満たす必要がある。現時点ではその動きがどこまで広がるか不透明だ。
麻生氏は最近、周囲に「辞めさせるのは簡単じゃねえぞ」と漏らしたとされる。退陣圧力と続投姿勢が交錯する中で、麻生氏がどの候補を支持するか、あるいは支持を見送るかは、党内の勢力図を大きく左右する。
一枚岩になれるかが試金石
総裁選を前にした自民党内では、結束を固められない派閥は存在感を失うリスクがある。麻生派が一本化できるかどうかは、麻生氏の指導力と派内の調整力にかかっている。長年の経験と影響力を持つ麻生氏が最終局面でどのような判断を下すのか、政局の視線は一点に集中している。