2025-07-15 コメント投稿する ▼
麻生太郎氏「ロシアは他人事じゃない」 ウクライナ侵攻から見える日本の防衛と政治の責任
「西に行った者が東に来ない保証はない」──ウクライナ侵攻と日本の現実
自民党の麻生太郎最高顧問が、7月15日に東大阪市で行われた参院選の個人演説会に登壇し、ウクライナ情勢と日本の安全保障を重ねて強い警鐘を鳴らした。
「ロシアが西(ウクライナ)に行った人が、東(日本)に行かない保証はない」と語った麻生氏。多くの国民が「ウクライナの戦争は遠い国の話」と考えがちだが、地理的に見ればロシアの東端は日本と接している。つまり、今起きている事態は、決して“対岸の火事”ではない。
「アメリカももはや頼りにならないかもしれない。貿易赤字が膨らめば、世界の警察としての役割を絞る可能性もある。だからこそ、自分の身は自分で守る覚悟が必要だ」と、国防の自主性を強調した。
「現実を見て発言する麻生さん、やっぱり老練だと思う」
「日本のすぐ隣にロシアがいる。気づかせてくれてありがとう」
「アメリカ任せじゃダメ。自国で守る意識を持つべき」
「西に行った者が東に来ない保証はない──重すぎる言葉」
「現実を直視することからしか、安全保障は始まらない」
SNS上では、麻生氏の「リアルな危機感」に共感の声が相次いだ。
防衛費2%の意味とは──“本気の抑止力”が国を守る
麻生氏は、自民党政権が進めてきた「防衛力の抜本的強化」の実績にも言及。特に注目されているのが、国内総生産(GDP)比2%を目指した防衛費の拡充だ。
「軍事費を増やすことが戦争を呼ぶのではなく、“抑止”のためにこそ必要なのだ」と麻生氏は明言。日本は北朝鮮・中国・ロシアといった核保有国に囲まれており、平和を維持するためには“言葉”ではなく“備え”が必要だと説いた。
この点については、有権者の間でも支持と理解が徐々に広がっている。防衛に関して「タブー視」されがちだった日本社会の空気が、現実の国際情勢を前に変わりつつある今、麻生氏の発言はその流れに呼応するものといえる。
政治の責任と自民党への反省──「不安定な政治は最大のリスク」
麻生氏は、政権与党としての責任に加え、自民党自身の問題にも言及。「自民党の支持率が下がっているのは、私たちの慢心や反省のなさが原因。そこは認めなければいけない」と語り、自らを含めた党内の引き締めを呼びかけた。
「日本の政治が不安定であることこそが、実は一番のリスクだ」と語り、「防衛力の強化も、経済政策も、政治が機能してこそ成り立つ。だからこそ、われわれは立て直さなければならない」と訴えた。
この“自己批判”の姿勢は、ベテラン政治家ならではの重みを持って聴衆に届いたようだ。単なる政党擁護ではなく、「国を守る」という一点に照準を定めたメッセージは、各世代から一定の信頼を得ている。
“言葉の力”で安全保障の本質を伝える
麻生氏の言葉は、時にユーモラスで、時に辛辣。しかし、今回の演説では「西に行った者が東に来ない保証はない」というシンプルだが本質的な一言で、多くの有権者に“平和の危うさ”を強く印象づけた。
防衛や憲法改正の議論が進まない背景には、政治家の本気度や覚悟のなさもある。麻生氏は、それを熟知しているからこそ、「言葉」ではなく「行動」と「構想力」で訴えた。
日本の安全保障は、すでに「選べる時代」から「選ばなければ危機が訪れる時代」へと変わっている。今、必要なのは“感情”ではなく“判断”だ。麻生氏のメッセージは、その冷静さと現実感を国民に促すものとなっている。