2025-05-23 コメント: 1件 ▼
免税制度見直しで2000億円の税収確保へ?麻生氏が語る“観光と公平性”の新バランス
麻生氏が指摘する“見えざる税逃れ” インバウンド免税制度見直し論に現実味
日本を訪れる外国人観光客の数が急増するなか、自民党の麻生太郎・最高顧問が、観光客に適用される消費税の免税制度について「見直しが必要だ」と強く訴えている。特に注目されたのは、現在の制度により、外国人が日本で買い物をしても消費税が課されないために、巨額の税収が失われているという指摘だ。
「日本に来た観光客の消費で、国全体にお金が落ちているのは事実だが、その陰で消費税が免除されている金額が2000億円を超えている。このままでよいのか」と麻生氏は党内の勉強会で問題提起した。
“旅行者は行政サービスも享受” 税負担の公平性に疑問
同会合では、「一時的とはいえ、観光客も日本国内でインフラや治安、衛生など多くの行政サービスの恩恵を受けているのに、税を一切負担しないのは不公平だ」との声が相次いだ。麻生氏も「少なくとも滞在中に行政コストの一部を負担してもらうのが筋ではないか」と応じたという。
リファンド方式への移行と制度の変化
政府は2026年から、今の「購入時点で免税」となる仕組みを廃止し、「支払い後に出国時に還付する」リファンド方式に移行する方針だ。これにより、不正な国内転売を防ぎ、制度の透明性が高まるとされる。加えて、高額商品の購入情報の報告義務、購入品の包装要件の緩和など、制度の骨格自体が大きく組み直される。
消費税還付スキームにもメスを
さらに、免税制度だけでなく、いわゆる“消費税還付スキーム”への批判も強まっている。企業が課税事業者となり、設備投資を口実に過剰な還付を受ける例が後を絶たず、制度の本来の目的から逸脱しているとの批判が絶えない。「外国人の免税を見直すのであれば、企業の還付制度も同時に再構築すべき」とする声も財政関係者の中から上がっている。
ネットでも賛否 公平性か、観光振興か
SNSでも、この問題については活発な議論が交わされている。
「旅行者だからって消費税ゼロは甘すぎる。ちゃんと負担してもらうべき」
「国内消費者との公平性を考えると、免税見直しは当然の流れだと思う」
「お土産屋で免税分だけ儲けてる業者も多い。不正防止の意味でも再検討は妥当」
「制度が厳しくなると観光客が減らないか心配。海外とのバランスも重要だよ」
「観光振興を続けながら、税収も確保する。そのための仕組みづくりが急務」
税の公平と観光促進の両立をどう図るか
観光立国を目指す日本にとって、訪日外国人による経済効果は重要な柱だ。その一方で、納税という公共負担の公平性も無視できない。麻生氏の問題提起は、免税制度の根本にある「特権性」と「不透明性」にメスを入れるものとして、今後の税制議論の焦点となりそうだ。