2025-04-24 コメント: 1件 ▼
「安定的な皇位継承」へ前進 麻生氏・野田氏らが会談 立法府のとりまとめ案協議
自民・立民のトップが会談
安定的な皇位継承のあり方をめぐって、自民党の麻生太郎最高顧問と立憲民主党の野田佳彦代表が、衆議院の額賀福志郎議長や玄葉光一郎副議長とともに、4月24日午後、東京・永田町の議長公邸で約30分にわたり会談した。
会談の詳細は明かされていないものの、先週開かれた衆参両院の正副議長と各党代表者による協議の流れを受けて、額賀議長が次回、国会としての「とりまとめ案」を提示する意向を示したことを踏まえ、事前の意見調整が行われたとみられる。
焦点は「女性皇族の地位」や「旧皇族の養子案」
これまでの与野党協議では、いくつかの大きな論点で意見の隔たりが続いている。
ひとつは、女性皇族が結婚後も皇室に残る場合に、その配偶者や子どもにも皇族としての身分を認めるかどうかだ。自民党は一貫して「配偶者や子どもには皇族の身分を付与すべきではない」とする立場をとっている。一方、立憲民主党は「皇族として認めることも含めて、議論を深めるべきだ」としており、柔軟な制度設計を模索している。
また、戦後に皇籍を離れた旧皇族の男系男子を皇室に迎え入れる「養子案」についても、自民党は「現行の皇位継承制度を維持するために必要な方策」として推進する考えだが、立憲民主党は「本人たちの意思確認がなされておらず、課題が残っている」と慎重な構えを見せている。
合意形成へ議長が調整役に
与野党の意見の隔たりはあるものの、皇室の未来を左右する大きなテーマだけに、党派を超えた合意形成が求められている。今回の会談では、こうした認識を共有し、議長主導で最終的な「国会としての案」の提示に向けて協議を進めていくことで一致した可能性が高い。
政府の有識者会議はすでに、女性皇族の継続的な皇室活動や旧皇族の男系男子の復帰を柱とする報告書をまとめており、与野党でこれをどう受け止め、制度に反映させていくかが今後の焦点となる。
今後の見通し
与党内では、今国会中にも皇位継承に関する法整備を進めたい意向が強い。一方で、立憲民主党は拙速な結論に警鐘を鳴らし、丁寧な議論を求めている。
次回の各党協議では、額賀議長から提示される「とりまとめ案」をたたき台に、いよいよ最終調整の段階に入る見通しだ。
- 自民・麻生氏と立民・野田氏らが額賀議長と会談
- 女性皇族の結婚後の地位や、旧皇族の復帰が主要な争点
- 自民は男系男子継承を重視、立憲は柔軟な議論を主張
- 議長が調整役となり、立法府としての案提示へ