2025-11-12 コメント: 1件 ▼
本庄知史政調会長が高市総理の財政方針転換を厳批「ブレの多い答弁」
元財務官僚出身の本庄氏は、特にプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標を巡る高市総理氏の方針転換を問題視し、政策通という評価とは「イメージと違った」と手厳しく評価しています。 本庄氏が特に問題視するのは、高市総理氏が11月7日の衆院予算委員会で「単年度のプライマリーバランスという考え方については、取り下げる」と明言したことです。
本庄氏は予算委員会質疑と経済対策について発言し、高市総理氏の初回答弁について「よく言えば自由、悪く言えば粗い答弁だった」と振り返りました。最も問題視したのは、7日の質疑で2025~2026年度に基礎的財政収支目標を黒字化するという財政健全化目標を取り下げると答弁したにもかかわらず、10日の質疑では取り下げていない趣旨の発言をした一貫性の欠如です。
同氏は財務省と内閣府から直接話を聞き、中身が何も詰まっていない状況での発言だったことを確認したと明かしました。「内閣委員会時代から答弁が不安定な印象で、政策通という評価とはイメージと違ったが、その一端が見えた予算委員会だった」と辛辣に評価しています。
財政健全化目標の方針転換を厳しく批判
本庄氏が特に問題視するのは、高市総理氏が11月7日の衆院予算委員会で「単年度のプライマリーバランスという考え方については、取り下げる」と明言したことです。この発言により、政府が長年掲げてきた「2025年度から26年度を通じて可能な限り早期の黒字化を目指す」という国際公約が事実上放棄されました。
プライマリーバランスは、社会保障や公共事業などの政策経費を借金に頼らず税収などでどの程度まかなえているかを示す重要な財政健全化指標です。日本は1992年度から一貫して赤字状態が続いており、G7の中でも最悪の財政状況にあります。
高市総理氏は「数年単位でバランスを確認する方向に見直すことを検討している」と説明し、単年度評価は「G7の中でも特異な考え方」だと主張しました。しかし本庄氏は、このような重要な政策転換が十分な検討なしに行われたことを深刻に受け止めており、財政規律の緩和が過度な財政出動やインフレ、円安を助長する恐れがあると警鐘を鳴らしています。
立民の経済対策は3本柱でコンパクトに
一方で本庄氏は、立民の経済対策について「くらし」「いのち」「賃上げ加速」の3本柱を軸に最終調整中であると説明しました。「3カ月の政治空白も踏まえ、短期的な即効性のある生活支援が重要だと考えている」と述べ、対象を絞った給付金を政策に盛り込む考えを示しています。
立民の経済対策の特徴は、規模よりも効果を重視する点です。本庄氏は「規模ありきではなく、必要なところに絞ったコンパクトな支出が基本」と強調し、「過度な財政出動はインフレや円安を助長しかねない」として、高市政権の積極財政路線とは対照的な姿勢を鮮明にしました。
この方針は、立民が掲げる「物価高から、あなたを守り抜く」という政策理念に基づいています。食料品消費税0%をはじめとする家計直撃型の支援策を中心に、中小企業支援や成長投資を組み合わせた実質賃金の向上を重視する経済政策を展開する方針です。
「高市総理の答弁がブレすぎです」
「財政健全化を投げ捨てるのか」
「政策通と言われていたのに失望」
「立民はコンパクトで効果的な支援を」
「規模ありきの経済対策は危険です」
高市政権の「責任ある積極財政」への疑問
本庄氏は高市政権が掲げる「責任ある積極財政」について、「責任ある積極財政を掲げる高市政権がどういった規模、内容の補正予算、経済対策を出してくるか注目したいし、しっかりと政策論争もしていきたい」と述べました。
しかし、プライマリーバランス目標の実質的な放棄により、この「責任ある積極財政」の信頼性に大きな疑問符が付いています。11月12日の経済財政諮問会議では、民間議員が前年を上回る規模での補正予算編成を提言しており、収支均衡にこだわらない姿勢が鮮明になっています。
元財務官僚として財政規律の重要性を熟知する本庄氏にとって、このような方針転換は看過できない問題です。現在の物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策であり、物価高対策として適切な財政出動や減税は必要ですが、それは財政健全化目標を放棄する理由にはなりません。
立民としては、高市政権の経済政策を厳しく監視し、真に国民のためになる政策論争を展開していく方針を示しています。本庄氏の発言は、政権交代を目指す野党第一党として、責任ある経済政策を提示する決意の表れでもあります。