2025-04-15 コメント: 1件 ▼
「世界の食卓を守るために」―英利アルフィヤ政務官、FAOと連携強化へ 日本は110億円を支援
米国の支援停止、FAOに深刻な影響
FAOは近年、米国国際開発庁(USAID)からの支援停止に直面し、数億ドル規模の資金を失った。これにより、アフガニスタンやソマリアなど紛争・飢餓地域での重要な支援プログラムが縮小・停止され、人員削減も余儀なくされている。現場からは「今後の活動継続は日本やEU諸国の支援にかかっている」との声も上がる。
英利政務官、FAO幹部と面会
こうした背景のもと、トレロ氏は日本政府関係者との一連の会談の一環として、英利政務官を表敬訪問した。英利氏は、世界的に食料価格が高騰し、供給網が不安定化する中、FAOが果たすべき役割が一層重要になっていると強調。「日本はFAOの主要支援国として、引き続き責任を果たす」と述べ、約110億円にのぼる日本からの拠出金の意義を説明した。
トレロ氏も、「日本の支援がFAOの活動を根底から支えている。今後も連携を深めたい」と応じたという。
日本の支援実績と立場
日本政府は2024~25年のFAO通常予算分担金として8,208万ドル(約110億円)を拠出。さらに、任意拠出としても約4.2億円を提供している。英利政務官は、こうした支援を単なる金銭的負担ではなく、「国際社会への責任と、平和と安定のための投資」と位置づけている。
また、同氏は日本国内でも食料安全保障の重要性を訴えており、FAOとの協力を「外交と経済安全保障の交差点」として重視している。
FAOの現状と日本の立ち位置
FAOの現事務局長は中国の屈冬玉(チュー・ドンユー)氏。組織全体のガバナンスには国際的な注目が集まっており、日本は「透明性と実効性の確保」を求める立場からも発言力を高めようとしている。職員の給与なども含めて、予算の使途に対する説明責任が問われている中で、英利政務官のように若手で実務に精通した外交官の存在感が高まっている。
英利政務官の存在感
ウズベキスタン系のルーツを持ち、女性・若手の代表格として注目される英利アルフィヤ氏は、国際機関との連携にも積極的に取り組んでいる。FAOとの会談後、自身のSNSでも「世界の食卓を支えるため、日本の立場と責任を改めて認識した」と発信。国際的な信頼構築とともに、現場感覚を持った外交が求められる中、その発言には説得力がある。