2025-04-22 コメント投稿する ▼
維新、旧姓使用を法制化へ 夫婦別姓導入せず現行制度の不利益に対応
維新、旧姓の通称使用を法制化へ 夫婦同姓制度は維持
日本維新の会は4月22日、結婚後も旧姓を通称として使用できるよう法的に認める法案の要綱をまとめ、党の法務部会で大筋合意に達した。この案は、選択的夫婦別姓制度の導入を求める声が高まる中、戸籍制度を維持しつつ、旧姓使用の法定化によって現行制度の不利益を緩和することを目的としている。
法案の主な内容
- 戸籍法を改正し、婚姻前の旧姓を通称として戸籍に追記できる制度を創設する。
- 住民票、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの公的書類に旧姓を記載できるようにする。
- 旧姓の通称使用に法的効力を持たせ、社会生活や職業上の不利益を軽減する。
- 夫婦同姓の原則を維持し、選択的夫婦別姓制度の導入は行わない。
この法案は、戸籍制度を維持しつつ、旧姓の通称使用を法的に認めることで、結婚による改姓が女性の職業生活や社会活動に与える不利益を解消しようとするものである。現行制度では、パスポートやマイナンバーカードなどで旧姓の併記が認められているが、旧姓のみの使用は認められていない。今回の法案では、旧姓の使用を届け出た場合、住民票やパスポート、運転免許証などに旧姓のみが記載されるよう、必要な法制上の措置を講じることが求められている。
日本維新の会の青柳仁士政調会長は、記者団に対し、「我々は戸籍制度は変えずに、社会の困り事を直接的に解決する方向性だ」と述べた。また、「氏(制度)そのものをひっくり返す大げさな方法もあるが、そうではなく、旧姓使用の法定化でも十分に対処できるという判断だ」と説明した。今国会での法案提出については、「重要案件が目白押しの中、新たな大きなアジェンダを入れるかは国会全体で考えなければいけない。我々が先頭を切って打ち出していく立場にはない」と述べ、慎重に判断する考えを示した。
背景と今後の展望
日本では、民法第750条により、夫婦は同一の姓を名乗ることが義務付けられている。この規定により、結婚に際していずれか一方が改姓する必要があり、特に女性が改姓するケースが多い。これに対し、選択的夫婦別姓制度の導入を求める声が高まっており、立憲民主党などがその導入を主張している。一方、戸籍制度や同一戸籍・同一氏の原則を維持する立場をとる日本維新の会は、旧姓の通称使用を法定化することで、現行制度の不利益を緩和しようとしている。