2025-04-11 コメント投稿する ▼
維新がライドシェア全面解禁の法案提出 「移動の自由」を求めて国会に一石
会見に立った青柳仁士政調会長は、「今の日本のライドシェアは世界の潮流とはまったく違う。我々は本物のライドシェアを導入したい」と語気を強めた。
現在、国内で許されているライドシェアは、タクシー会社の管理下で一部地域に限って実施されている“限定版”。運行時間や地域も厳しく制限されており、自由度は低い。
なぜ今、ライドシェアの全面解禁か
維新の法案は、こうした規制を取り払い、Uberのようなアプリを使って一般ドライバーが自由に乗客を運べるようにすることが柱だ。背景には、地方の過疎化や高齢化による移動手段の不足、そしてインバウンド観光客の急増による「交通インフラのひっ迫」がある。
実際、政府の調査では、中小規模の自治体で「移動手段に困った経験がある」と答えた人が15%を超えるなど、公共交通の限界が明らかになっている。
既存業界からの反発も
とはいえ、法案にはタクシー業界を中心に強い反発がある。全国ハイヤー・タクシー連合会は、「白タクを合法化する動き」として反対の姿勢を明言。自民党内の関係議員も、安全性や既存業者への影響を懸念しており、国会審議のハードルは低くない。
実際に過去の議論では、事故時の補償体制や運行管理の不透明さが問題視されてきた。タクシー業界からは「安全・安心の確保がないままの解禁は無責任だ」との声も上がっている。
国会でどう進むかが焦点
維新は他党との協議を進め、今国会中の成立を目指すが、与党の足並みは揃っておらず、法案の行方は不透明だ。岸田政権も独自に「新たな移動サービスの在り方」を検討中で、規制緩和のタイミングをどう図るかがカギとなる。
それでも、時代の変化とともに「移動の自由」を求める声は大きくなっている。維新が投じた一石は、今後の交通政策の在り方を考えるきっかけになりそうだ。
- 日本維新の会がライドシェアの全面解禁法案を提出
- 地域の交通不足や観光需要に対応する狙い
- 現行制度はタクシー会社の管理下で限定運用
- 一般ドライバーによる自由な運行を可能にする内容
- タクシー業界や自民党の一部からは強い反発
- 法案成立には他党との調整が必要で、成否は不透明