2025-08-19 コメント投稿する ▼
維新・藤田文武氏の新体制が始動 「是々非々」路線と連立参加のリスク
維新・藤田文武氏の新体制が始動
日本維新の会は19日、両院議員総会で役員人事を承認し、藤田文武共同代表を中心とする新体制が本格的にスタートした。維新は「改革保守」を掲げ、自民党に代わる新しい保守政党を目指してきたが、前執行部は与党との連携と野党との協調の間で路線が揺れ、党勢の迷走が指摘されていた。藤田氏は記者会見で「大阪で責任ある政策実現をしてきた。国会でも無責任な野党的な主張ではなく、与党ができないことを提案しつつ責任ある進め方をしていく」と述べ、「是々非々」路線への回帰を強調した。
過去の迷走と新体制の課題
昨年の衆院選後、維新は前原誠司前共同代表のもとで与党と予算をめぐり合意を形成する一方、参院選では立憲民主党と選挙区調整を行い、企業・団体献金禁止の立場でも共闘するなど「野党色」を強めた。この対応に対して党内外から「立憲維新の会だ」と揶揄され、党の基盤が揺らいだ。維新はもともと「非自民・非共産」を掲げつつ、左派政党に対して強いアレルギーを持ってきただけに、こうした動きは大きな矛盾を生んだ。
藤田新体制にとっての最初の課題は、この迷走を断ち切り、原点である「改革保守」の立場を再確認することだ。遠藤敬国対委員長も「維新としての存在感」という言葉を繰り返し、国会内での立場を鮮明にする姿勢を示している。
連立をめぐる駆け引き
一方で、維新内には「副首都構想」や政策実現のために与党連立に参加すべきだという意見も根強い。吉村洋文代表は18日、自民・公明両党との連立参加について「政策実現の手段だ」と語り、可能性を否定しなかった。連立入りは実績を積む近道である一方、自民党との「数合わせ」と見なされれば党勢を失う危険性もある。
さらに、国民からは減税の議論をめぐって厳しい視線が向けられている。もし維新が与党連立に加われば「やっぱり減税の妨害をしていたんだ」という国民の疑念が確信に変わりかねず、支持基盤の崩壊につながる可能性もある。減税か増税かをめぐる世論の分岐点で、維新の選択は極めて重い意味を持つ。
党勢回復に必要なもの
維新が「改革保守」として存在感を取り戻すには、与党との是々非々の姿勢を鮮明に示しつつ、数合わせの政治と距離を取れるかどうかが焦点だ。大阪で示した実績と、国会での「責任ある提案力」を両立できなければ、党勢回復は難しい。
「是々非々を貫けるかどうかが試金石」
「連立入りは危険。自民に吸収されるだけ」
「改革保守を忘れなければ存在感は戻る」
「迷走を繰り返すなら国民の信頼は戻らない」
「減税を妨害する存在と見られたら一巻の終わりだ」
藤田氏が掲げる「是々非々」の旗が本当に立ち戻るのか、それとも政権との距離感で再び迷走するのか。新体制の行方が日本の野党政治の今後を左右することになりそうだ。