2025-05-20 コメント投稿する ▼
「旧姓使用」の法制化案で維新が立民に説明 自民巻き込み狙うも主張に隔たり
維新、旧姓通称使用で立民と意見交換 自民も巻き込み狙う
日本維新の会は5月20日、立憲民主党の党内会合に出席し、独自に提出した旧姓の通称使用を拡大するための法案について説明した。これは、結婚による姓の変更が仕事や生活に及ぼす影響を軽減するためのもので、戸籍上の仕組みを活用しながら実務上の不便を取り除くことを目指している。一方、立民は夫婦別姓の選択を可能にする民法改正を主張しており、両者の間にはアプローチに大きな隔たりがある。
「同姓原則」は維持、実務の支障だけ解消へ
維新が提出した案は、夫婦同姓を前提とする現行制度を残しつつ、婚姻前の姓を「通称」として公式書類に明記できるようにする内容。これにより、役所での申請や銀行口座の名義変更といった煩雑な手続きを減らす狙いがある。維新の藤田文武氏は立民議員との質疑後、「従来の制度の枠内で現実的な対応を取れるのが我々の案だ」と強調した。
立民は「不十分」と指摘 民法改正求める声も
一方、立民の中では「小手先の対応にすぎない」との見方が根強く、法的に夫婦別姓を認める民法改正こそが抜本的な改革だと主張する声が相次いだ。「選択的夫婦別姓は、個人の尊厳や自由に直結する問題。戸籍だけをいじるのは本質を外している」といった意見もあり、維新案に賛同する空気は広がっていない。
自民を巻き込む布石か 維新は他党とも協議へ
維新は今後、自民党や公明党、さらには国民民主党とも協議を進める予定だ。特に慎重姿勢を崩さない自民党に対しては、「同姓維持」にこだわる層にも受け入れられる柔軟な提案として、維新案のメリットを訴える構え。実際、自民党関係者の中には「妥協案として検討の余地がある」と前向きな声もあるという。
ネットの反応:「現実解」か「ごまかし」か
SNS上では、維新案への評価は分かれている。
「旧姓の通称使用、確かに仕事では助かるけど、それで満足してるわけじゃない」
「維新案は“日本的”な落としどころ。自民もこれなら乗れるかも」
「夫婦別姓は思想問題じゃない。実際に困ってる人のために早く制度を変えて」
「名前を戻すだけで済むなら誰も苦労しない。結婚で姓が変わるのが根本問題」
「立民の主張は理想的だけど、維新の案のほうが現実味はある」
今後の焦点は「合意形成」
法案の行方を左右するのは、与党を中心とした議論の行方だ。維新は「改革派」としての立場を強調しつつ、現実的な妥協案で与党を揺さぶろうとしている。一方の立民は、選択的夫婦別姓こそが本筋であると譲らない。両案ともに単独で多数を取る見込みはなく、今後の法務委員会でどれだけ合意を広げられるかが鍵となる。