2025-11-13 コメント投稿する ▼
「取材威嚇」維新藤田氏の記者名刺公開を国会追及 高市総理は沈黙貫く
連立与党の代表という権力者による報道機関への威嚇行為として厳しく批判される中、高市早苗総理大臣は明確な立場表明を避け、問題の深刻さを軽視する姿勢を示しています。 この問題の発端は、しんぶん赤旗日曜版が藤田氏の公設第1秘書が代表を務める会社への約2000万円の公金還流疑惑を報じたことでした。
報道の自由への重大な挑戦が問題化
共産党の小池晃書記局長(東京選挙区選出)氏が参議院予算委員会で追及したのは、藤田氏が2025年10月30日未明にX(旧ツイッター)で行った記者名刺公開の是非です。この問題の発端は、しんぶん赤旗日曜版が藤田氏の公設第1秘書が代表を務める会社への約2000万円の公金還流疑惑を報じたことでした。
記者名刺には氏名、所属部署、直通電話番号、ファクス番号などの個人を特定できる情報が記載されており、藤田氏は記者の了承なしにこれらの情報をインターネット上に公開しました。この行為により、該当記者には1万通を超えるメールが殺到し、業務に深刻な支障をきたしています。
朝日新聞は社説で「記者への個人攻撃や嫌がらせを誘発しかねない」と指摘し、毎日新聞も「記者を威嚇し取材活動を萎縮させる」と批判しました。政権与党の代表による露骨な報道機関への圧力として、全国紙が相次いで問題視する事態となっています。
「政治家が記者の個人情報をさらすなんて、取材を萎縮させる狙いとしか思えない」
「維新は改革を掲げているのに、やっていることは昔の権力者と同じ」
「これが政権与党の代表のやることか、民主主義の危機だ」
「藤田氏の行為は明らかに報道への威嚇、許されない」
「記者に嫌がらせメールが1万通も来るって、狙ってやってるでしょ」
高市総理の無責任な対応が批判の的
小池氏は参議院予算委員会で「連立与党の代表のこういう行為が許されるとお考えですか」と高市総理に質問しました。しかし、高市総理の答弁は当事者意識を完全に欠いた無責任なものでした。
「藤田代表は政治家として判断して対応されている事柄ですから、その事案の当事者でない立場から私がコメントするということは差し控えたい」と述べ、連立相手の問題行為について一切の見解表明を拒否しました。さらに「個別の法律が適用されるかどうかということも、内閣総理大臣の立場からはお答えすることを差し控えます」と、法的判断についても逃げの姿勢を示しています。
この対応について小池氏は「全く答えなかった。取材活動に対する重大な威嚇だと報道の自由に対する挑戦だ」と厳しく指摘しました。連立政権のトップとして、パートナーの問題行為を見過ごす姿勢は、政権全体の民主主義軽視を象徴するものです。
藤田氏の開き直りと問題の深刻化
藤田氏は2025年11月4日の記者会見で「携帯電話番号は消しているし、メールアドレスのドメインも消している。それ以外は住所も含めて公開情報だ」と述べ、問題ないとの認識を示しました。しかし、しんぶん赤旗編集部によると、取材部門の電話やファクス番号は一般には非公表であり、藤田氏の主張は事実と異なります。
さらに深刻なのは、藤田氏が今後の取材拒否を宣言したことです。「赤旗は公平性を重視するような報道機関ではない。共産党のプロパガンダ紙だ。今後は、共産党およびしんぶん赤旗の質問状には一切返答しない」と述べ、批判的な報道機関への敵対姿勢を明確にしています。
上智大学の奥山俊宏教授(ジャーナリズム)氏は「赤旗の報道に対する反論が目的なら、名刺画像の投稿は不必要で、記者に対する嫌がらせ目的と疑わざるを得ない」と専門家の立場から批判しています。
政治資金制度への影響と企業献金問題
この問題の根底には、維新が掲げてきた「身を切る改革」との矛盾があります。藤田氏は公設秘書の会社に政党助成金など約2000万円の公金を支出し、その会社が秘書に年720万円の報酬を支払っていたという税金の還流構図について、当初は「適法だ」と主張していました。
しかし、報道後の批判を受けて「今後は秘書が代表を務める会社への発注は一切行わない」と方針転換を余儀なくされました。この問題は、維新が主張してきた政治改革の理念と実際の行動との乖離を浮き彫りにしています。
企業・団体献金については、維新は従来禁止を主張していましたが、自民党との連立協議で大幅に後退しました。「高市総裁任期中に結論を得る」という曖昧な表現にとどまり、実質的な先送りとなっています。報道機関への威嚇行為と併せて、維新の改革姿勢そのものが問われる事態となっています。
しんぶん赤旗は2025年11月4日付で藤田氏に対し、名刺画像の削除と謝罪、今後の記者個人を標的とする行為の禁止を求める申し入れ書を提出しました。11月10日を回答期限として設定し、対応がない場合は「法的な検討に入る」と通告しましたが、藤田氏は期限を過ぎても名刺画像を削除せず、全面対決の様相を呈しています。
この問題は単なる個別事案を超えて、政権与党による報道機関への組織的な圧力として位置づけられます。政治権力と報道の自由をめぐる深刻な対立が、今後の政治情勢にも大きな影響を与えることは確実です。