2025-11-06 コメント投稿する ▼
西谷文和氏が維新藤田氏に撤回要求、建造物侵入指摘に「正当取材」反論
フリージャーナリストの西谷文和氏は2025年11月6日、日本維新の会の藤田文武共同代表に対し、公金還流疑惑に関する反論会見での発言を問題視し、撤回と謝罪を求める文書を送付したことをSNS上で明らかにしました。
フリージャーナリストの西谷文和氏は2025年11月6日、日本維新の会の藤田文武共同代表に対し、公金還流疑惑に関する反論会見での発言を問題視し、撤回と謝罪を求める文書を送付したことをSNS上で明らかにしました。共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報じた疑惑を巡る取材で、西谷氏が藤田氏秘書の企業登記先マンション内を撮影したことについて、藤田氏は「犯罪行為」と発言しており、取材活動の正当性を巡って対立が深まっています。
この問題の発端は、西谷氏が赤旗の疑惑報道に関連して藤田氏の公設第一秘書が代表取締役を務めるデザイン会社の所在地を訪問し、その様子を動画で公開したことです。藤田氏は11月4日の記者会見で「オートロックの中に勝手に入った。建造物侵入で逮捕される」と強く批判し、防犯カメラの映像を警察に提供したと明らかにしています。
西谷氏は文書で「公の関心事である貴殿にかかわる公金支払い疑惑についての最も基礎的な事実確認作業だ」と反論し、14日までに文書での撤回と謝罪を求めています。
「ドアは自然に開いた」西谷氏が反論
藤田氏が「オートロックの中に勝手に入った」と指摘したことに対し、西谷氏は文書で詳細に反論しました。「オートロックドアはなかった」「自動ドアを通って玄関ホールに入った。ドアは自然に開いた」と説明し、不法侵入の事実はないと主張しています。
西谷氏によると、藤田氏秘書が経営する自宅マンション兼会社事務所で呼び鈴を2回鳴らし、反応がなかったためマンション入り口のインターホンを2回押したものの反応がないため引き上げたとしています。藤田氏に対しては、建造物侵入を主張する根拠を明確にするよう求めました。
しかし、藤田氏側は防犯カメラに映った映像を根拠に警察への通報を行っており、「犯罪行為ですからね」と厳しい姿勢を示しています。過去にも松井一郎元代表のマンションで同様の事件があったことを引き合いに出し、取材の名を借りた不法行為だと断じています。
「取材という名目なら何でも許されるのか」
「ジャーナリストが法律を破ってはダメだろう」
「オートロック突破は明らかに侵入だ」
「維新を追及する前に自分の行動を反省すべき」
「これは取材ではなく迷惑行為だ」
公金還流疑惑の追及が発端
この対立の背景には、共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報じた藤田氏を巡る公金還流疑惑があります。報道によると、藤田氏が代表を務める2つの政治団体から、公設第一秘書が代表取締役を務めるデザイン会社に数年間で約2,000万円の業務発注が行われていたとされています。
原資には調査研究広報滞在費(文通費)が含まれており、税金が使われていた可能性が指摘されています。藤田氏側は「法律的には問題ない」と一貫して主張していますが、倫理的な問題を指摘する声も上がっています。
西谷氏は今回の取材について「公の関心事である公金支払い疑惑についての最も基礎的な事実確認作業」と位置づけ、「非難されるいわれはない」と強く反論しています。ジャーナリストとしての使命感から行った正当な取材活動であり、犯罪行為ではないとの立場を堅持しています。
メディアと政治家の境界線が争点
この問題は、報道の自由と取材活動の適正な範囲を巡る重要な論点を提起しています。フリージャーナリストによる積極的な取材活動が、どこまで許容されるべきかという境界線が問われています。
西谷文和氏は1960年京都府出身の64歳で、立命館大学理工学部中退後、大阪市立大学経済学部を卒業し、吹田市役所勤務を経てフリージャーナリストに転身しました。イラクやアフガニスタンなどの紛争地域の取材で知られ、2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞しています。
一方、藤田文武氏は1980年生まれの44歳で、筑波大学体育専門学群卒業後、高校教師を経て政界入り。2019年の大阪12区補欠選挙で初当選し、現在3期目。2025年8月から維新の共同代表を務めています。
今回の対立は、政治家の説明責任とジャーナリストの取材手法の両面で議論を呼んでおり、14日までの藤田氏の回答が注目されます。取材活動の正当性を巡る司法判断や、政治家の透明性確保に向けた今後の展開が焦点となりそうです。
報道の自由を守りつつ、適正な取材手法を確保するという課題は、メディア業界全体にとっても重要な問題として受け止められています。