2025-05-30 コメント投稿する ▼
石破首相の“日本はギリシャ以下”発言に批判続出|財政誤認に専門家も国民も憤り
石破首相の「ギリシャ以下」発言に専門家も国民も猛反発
石破茂首相が国会で「日本の財政はギリシャよりも悪い」と発言したことが、政界と世論の両方で激しい批判を呼んでいる。立憲民主党の江田憲司議員はこれに対し、「あまりにも無知で恥ずかしい発言だ」と痛烈に批判。国内経済の根幹にかかわる認識の誤りだとして、財務金融委員会で首相の見解をただした。
「ギリシャ以下」は誤解 日本の財政構造は根本的に異なる
江田議員は「ギリシャと日本は財政の前提がまったく異なる」と指摘。ギリシャがユーロ建ての国債を発行し、国外依存が強いのに対し、日本は自国通貨建てで、国債の大半が国内で消化されている。さらに、対外純資産、経常収支、国債の海外保有率などの重要な経済指標において、日本は圧倒的に優位に立っていると強調した。
財務省が公表したデータによれば、日本の対外純資産は世界最大級であり、外国人による国債の保有比率もわずか6.4%。これに対し、ギリシャの国債は約7割が海外投資家に保有されていたという。こうした状況の違いを無視して「ギリシャ以下」と発言した首相に対し、「一国のリーダーが発するには軽率すぎる」と江田氏は糾弾した。
減税論封じのための不適切なレトリック
石破首相はこの発言の背景に、減税論にブレーキをかける意図があるとみられている。財政破綻リスクを過剰にあおることで、財政出動に慎重な世論を形成しようという狙いがあるとする見方もある。しかし、これについて江田氏は「数字を使っての印象操作は慎むべきだ」と苦言を呈した。
また、首相や政権幹部が2022年の英国の「トラス・ショック」を引き合いに出すことにも、江田氏は疑問を呈した。財源裏付けが乏しい大型減税が英市場を混乱させたが、日本と英国では財政体質も外貨依存度もまったく異なる。「あの事例をそのまま日本に当てはめるのは誤解を招くだけだ」と述べ、過度な恐怖論を展開する政府の姿勢を問題視した。
ネットでも「無責任発言」と批判噴出
SNSでも、石破首相の発言には否定的な意見が殺到している。ネットユーザーの反応をいくつか紹介する。
「ギリシャと日本の構造の違いすら理解してないのか…情けない」
「自国の経済を不当に卑下する発言は、国益を損ねる」
「市場がどう反応するかも考えずに、よくこんなこと言えるな」
「これが首相の言葉か。もっと勉強してから話してほしい」
「減税潰しの口実として“ギリシャ”を使うのは無理がある」
こうした声からも明らかなように、今回の発言は経済の専門家だけでなく、一般国民にも不信と失望を広げている。
求められるのは事実に基づいた財政論
財政再建の議論はもちろん重要だが、それには事実と根拠に基づいた説明が不可欠だ。首相が公の場で、誤解を招くような比喩を軽々しく使うことは、政治的な信頼を損なうだけでなく、国際的な信用にも傷をつけかねない。
石破政権が今後、真に信頼される財政運営を進めていくためには、まず「数字に基づく正確な発言」が必要である。それを欠いたままの発言が繰り返されれば、政権全体への不信感はより一層強まるだろう。