2026-03-23 コメント投稿する ▼
岡山県警の採用動画「やめておけ」が警察庁長官賞 インスタ33万回再生の全内容
岡山県警察が制作したこの動画が、警察庁主催の採用広報コンテストで最高賞にあたる「警察庁長官賞」を受賞し、インスタグラムで33万回以上再生されて大きな注目を集めています。 この動画は岡山県警察井原署の有志が制作しました。 こうした状況を受けて警察庁は2025年に動画部門と漫画部門からなるコンテストを初めて開催しました。
動画の内容は一風変わっています。娘から警察官を目指すと告げられた父親は「夜中の呼び出しもあるし、危ないことも多い」と難色を示します。ではなぜ自分は仕事を続けているのか—。「誰かがやりゃにゃあいけめえが」という岡山弁のひと言が、父親の答えです。娘は「私がやる。決めたから」と力強く宣言して動画は終わります。
この動画は岡山県警察井原署の有志が制作しました。父親役を演じた地域課の井田俊朗巡査部長(52)は、新年度に大阪府警へ就職する長男とも実際に同じようなやりとりがあったといいます。娘役を務めた同課の小林由乃巡査(25)は「リアルな部分が伝わったらうれしい」と制作への思いを語ります。脚本からカメラワークまですべて署員が手がけたからこそ生まれた、現場の空気感が多くの視聴者の心を動かしました。
現役警察官が仕掛けた「逆張り」の採用広報
従来の警察採用広報は「かっこいい仕事」「社会の役に立てる」といった前向きなイメージを打ち出すものが主流でした。今回の岡山県警の動画はその逆を行きます。仕事の過酷さと重さを正直に示しながらも「誰かがやらなければならない」という覚悟を問いかける内容が、若い世代に響きました。
視聴者が採用広報に求めるものは「きれいごとではなくリアルな情報」だという時代の変化とも重なります。現役の署員が自らの経験をベースに演じたことで、計算された宣伝にはない「本物の重み」が動画ににじみ出ています。インスタグラムでの33万回再生という数字は、その共感の大きさを示しています。
「父親が"やめておけ"と言う正直さが胸に刺さった。これが一番の採用広報だと思う」
「57秒に警察官の仕事の重さと誇りが詰まっていた。岡山弁が余計にリアルで泣けた」
「宣伝くさくない動画が新鮮。現場の人が作ったから本物の言葉になっている」
「警察官を目指す若者に、きれいごとではなくこういうメッセージを届けてほしい」
「33万回再生とは驚き。お役所の広報ってこんなに人の心に響くものが作れるんですね」
受験者数は10年で半減 採用難が動画誕生の背景
今回のコンテストが生まれた背景には、深刻な警察官のなり手不足があります。警察庁のデータによると、全国の警察官採用試験の受験者数は2015年度の9万2894人から2024年度には4万2830人へと、約10年で半減しました。超売り手市場が続く労働環境のなかで、危険を伴い夜間の呼び出しもある仕事は若者に敬遠されがちです。
警視庁は試験の前倒しや受験年齢の上限引き上げ、SPI試験の導入といった制度見直しを進めており、全国の警察が採用確保に知恵を絞っています。こうした状況を受けて警察庁は2025年に動画部門と漫画部門からなるコンテストを初めて開催しました。動画部門に132点、漫画部門に80点の応募が全国から集まりました。
「誰かがやらなければならない」という覚悟が共感を呼ぶ
警察は国民の安全を守る存在ですが、そのためには担い手が必要です。岡山県警の動画が示したのは「警察の仕事は大変だ。それでも誰かがやらなければならない」という、まっすぐなメッセージです。この問いに答えようとする人材こそ、警察が本当に求めている人材でもあります。
採用難が深刻化するなかで、警察官という職業のリアルな姿を「正直に伝える」広報の重要性は今後さらに高まるといえます。今回の受賞と33万回再生という反響は、全国の警察にとっても採用広報の新しい方向性を示すものとなりました。
まとめ
- 岡山県警察が制作した57秒の採用広報動画が、警察庁主催の全国コンテストで最高賞「警察庁長官賞」を受賞
- 警察官の父親が娘に「やめておけ」と諭す異色の内容で、インスタグラムで33万回以上再生
- 父親役の井田俊朗巡査部長(52)と娘役の小林由乃巡査(25)が出演。岡山県警察井原署の有志が制作
- 警察庁によると全国の警察官採用試験受験者数は約10年で半減(2015年度約9万3000人→2024年度約4万3000人)
- コンテストは2025年に初開催。動画部門132点・漫画部門80点の応募があった
- 「仕事の過酷さを正直に伝える」採用広報の新潮流として全国から注目を集めている