2025-05-19 コメント投稿する ▼
「消された年金法案」立憲・長妻氏が基礎年金底上げ復活を自民に要求
消された年金法案、長妻氏が自民に対抗
政府が提出した年金制度改革法案から、基礎年金の底上げ案が削除されたことが明らかになった。この削除は自民党内の一部議員からの反発を受けたもので、政府は調整を断念し、法案からこの部分を取り除いた。
基礎年金の底上げは、特に就職氷河期世代や年金が少ない世代を救済することを目的としていた。しかし、厚生年金の積立金を活用することで、厚生年金加入者の反発を招き、「厚生年金の財源を国民年金に使うのは不公平だ」という声が自民党内で強まり、削除に至った。
長妻氏「消された年金法案」と批判
立憲民主党の長妻昭代表代行は19日、削除された基礎年金底上げ案について「消された年金法案だ」と強く批判した。長妻氏は「年金が少ない世代への救済策をなぜ削除するのか」と疑問を呈し、政府が国民生活を軽視していると主張。
さらに、長妻氏は党の見解を20日に自民党へ提示し、削除された部分を復活させるよう求める考えを示した。立憲民主党は、与党との修正協議を通じて、基礎年金底上げの必要性を訴える方針だ。
年金制度改革法案の内容
今回の年金制度改革法案には以下の施策が盛り込まれている:
* 年収106万円の壁撤廃:パート労働者や短時間労働者の厚生年金加入を促進。
* 標準報酬月額の上限引き上げ:現行65万円から75万円に変更し、厚生年金の保険料算定基準を調整。
* 在職老齢年金制度の見直し:働く高齢者の年金支給停止調整額を50万円から62万円に引き上げ、労働意欲の向上を図る。
一方、基礎年金の底上げ案は削除され、厚生年金積立金の活用に対する公平性の懸念が浮上した。
今後の展望:修正協議が焦点
年金制度改革法案は今後、国会での審議を経て成立を目指すが、削除された基礎年金底上げ案を巡り、与野党の修正協議が焦点となる。特に立憲民主党はこの案の復活を求めており、政府との交渉が続く見通しだ。
参議院選挙を控え、年金制度は選挙の争点となる可能性もあり、各党の対応が注目される。年金受給者や就職氷河期世代の関心が集まる中、政府は国民の生活を支える政策を示すことが求められている。