2025-08-05 コメント投稿する ▼
沖縄県議・新垣淑豊氏、RBC取材を拒否「過去に切り貼り報道」 背景に県議会事務局の個人情報提供問題
新垣淑豊県議、RBC取材を拒否 「切り貼り報道で誘導」過去の経験語る
沖縄県議会議員の新垣淑豊(よしとよ)氏(自民党)は、自身のX(旧Twitter)で地元テレビ局・RBC琉球放送の取材を拒否したことを明らかにしました。きっかけは、議会内の「ワシントン100条委員会」の休憩時間中に記者とカメラが接近し、当日の沖縄タイムスの記事についてコメントを求められたことです。
新垣氏は、その理由を次のように説明しています。
「ワシントン100条委員会の休憩に入った際にRBCのカメラと記者が追ってきました。今朝のタイムスの記事の件だと言っておりましたが、断りました。」
「なぜならば、彼らは以前にも数度にわたり、切り貼りをした映像を流し、結論を自社で決めたものに誘導された嫌な経験がありますので。」
この発言からは、過去の報道のあり方に対する強い不信感が読み取れます。特に「切り貼り」や「誘導」という言葉は、報道側の編集・構成方法への疑念を示しています。
背景にある「市民意見提供」問題
今回の投稿の背景には、今年2月に表面化した「県議会事務局が市民の個人情報を含む批判メールをそのまま議員に渡した」問題があります。沖縄タイムスやRBCの報道によれば、事務局は市民から届いた意見文を、氏名やメールアドレスを伏せずに提供していました。そのうち複数件に個人情報が含まれており、識者からは「議員による個人攻撃や萎縮効果を招きかねない不適切な対応」との指摘も出ています。
新垣氏は、この意見文を黒塗りした上で自身のSNSに公開し、送信者の行動を「カスタマーハラスメント的だ」と批判しました。こうした対応は賛否を呼び、一部からは「政治家として批判者への対応として適切なのか」という疑問の声もあがっています。
記者との関係悪化と不信の蓄積
新垣氏は過去にも、沖縄タイムスの記者から取材を受けた際、「後で言った言わないにならないように」動画と音声で記録しながら応じたとSNSで公表しています。また、RBCや琉球新報の取材時にも感情をあらわにし、「アタマに来ている」と発言しています。こうしたやり取りから、地元メディアとの関係がかなり緊張状態にあることがうかがえます。
新垣淑豊氏のプロフィール
新垣氏は那覇市・南部離島選挙区選出の沖縄県議会議員で、自民党沖縄県連所属。経済労働委員長や沖縄振興特別委員会委員などを歴任し、現在は「ワシントン100条委員会」でも活動しています。1975年生まれで現在2期目。県政の中でも発信力のある議員として知られています。
政治と報道、双方に求められる課題
今回の一件は、政治家と報道機関の信頼関係がいかに脆いかを示す事例といえます。
県議会事務局は、意見提供の際に個人情報を適切に処理するルール整備が急務です。一方、報道機関は取材時の編集意図や映像加工の透明性を高める必要があります。
新垣氏のように、SNSを通じて直接有権者に情報発信する政治家は増えていますが、それは同時に、反対意見や批判にどう向き合うかという新たな課題も伴います。報道と政治の間に横たわる不信の溝を埋めるためには、双方の説明責任と情報公開の姿勢が不可欠です。
今後の焦点
* 県議会事務局による情報提供方法の見直し
* 地元メディアと政治家の信頼回復プロセス
* SNS時代における政治家の発信スタイルと倫理基準
今回の新垣氏の発言は、単なる取材拒否の事例ではなく、県政と報道の関係、そして政治家の情報発信の在り方を問い直すきっかけとなりそうです。