自民・木原誠二選対委員長が「大義なき解散」を牽制　総裁選前倒し論と交錯する政局

木原選対委員長「解散には大義必要」と強調

自民党(自由民主党)の木原誠二選挙対策委員長は7日、テレビ番組に出演し、石破茂首相（党総裁）が総裁選前倒しの動きを封じるため、衆院解散・総選挙に踏み切るのではないかとの観測について「解散は首相の専権事項。首相が判断されることだ。いずれにしろ大義は必要だ」と述べた。党内に広がる憶測に一定の距離を置きつつ、解散の正当性を重視する姿勢を示した。

総裁選の前倒しを巡っては、自民党内で意見が割れている。木原氏はその是非について問われると「きっかけは参院選の敗北で、私は選挙の責任者、選対委員長だった。いいとか悪いとか言うのは、天に唾することになる」と発言。責任を負う立場から軽々に評価することを避けた。前倒しを求める書面提出については「私自身は考えていない」と否定した。

「大義なき解散は国民に受け入れられない」
「総裁選前倒し論と解散論が交錯して混乱している」
「参院選敗北の総括が先だろう」
「選対委員長が距離を置くのは当然だ」
「党内抗争ばかりで生活政策が後回しにされている」

解散権と「大義」の重み

衆院解散は憲法上、首相の専権事項とされるが、その根拠や「大義」が国民に理解されなければ批判を招く。特に今回のように総裁選の前倒しを巡る党内力学の一環として解散が語られている状況は、「党内抗争のための解散」と受け取られかねない。木原氏が「大義は必要」と言及した背景には、解散理由の正当性が問われるという危機感がある。

総裁選前倒し論と党内責任論

参院選大敗を受けて総裁選前倒しを求める声が出ているが、木原氏は自らが選挙責任者であることを踏まえ「いいとか悪いとか言う立場ではない」と発言した。党内での前倒し論は勢いを増しているが、責任論の矛先が首相や執行部に向かう中、選対委員長としては「書面提出は考えず」と明言し、自身の関与を否定した格好だ。

国民生活より党内力学が優先される危うさ

石破首相の進退を巡る動きは、国民生活よりも党内の力学が優先されている印象を与えている。ガソリン税や物価高騰など生活に直結する課題が山積する中、解散や総裁選のタイミングばかりが議論される状況は、政治不信を深めかねない。木原氏の発言は「大義なき解散」へのけん制であると同時に、党内抗争が政策遂行を妨げている現状を映し出したといえる。

総裁選前倒しと解散論の交錯　国民の視線は厳しく

自民党内では、参院選大敗を契機に総裁選前倒し論と解散論が並行して語られ、政局の混迷が続いている。木原氏は「大義」という言葉で一線を引いたが、今後の首相判断や党内力学次第で事態は大きく動く可能性がある。国民が求めているのは権力闘争ではなく、生活安定への確かな施策であることを、与党は忘れてはならない。