2026-03-24 コメント投稿する ▼
高校教科書検定で「プリン」「琉球・アイヌ」「アンネ・フランク」に修正指示、2027年度使用分196点が合格
教科書の内容が決まる「検定」とは、国(文部科学省)が学習指導要領に照らして内容の適正さをチェックし、修正を求める仕組みです。文部科学省は2026年3月24日、主に高校2年生が2027年度から使用する教科書の検定結果を公表しました。申請された8教科200点のうち196点が合格しました。今回の結果には、琉球・沖縄やアイヌ民族の記述をめぐる修正指示や、英語表現の細かな言い回しへの指摘、「プリン」という脚注表現への修正要求など、多岐にわたる検定意見が含まれており、注目を集めています。
「日本はどれだけ尊重できているか」が「私たちは」に変えられた理由
今回の検定で特に注目されたのが、琉球・沖縄の人々やアイヌ民族に関する記述をめぐる修正指示です。
ある教科書の原文に「日本はどれだけ尊重できているだろうか」という問いかけ表現があり、文部科学省はこれを「こうした人々を日本の外側に位置付けているように誤解される恐れがある」という趣旨の検定意見を付けました。その結果、「日本は」の部分が「私たちは」に改められて合格しました。
琉球・沖縄やアイヌ民族は、歴史的に日本と深く結びついた存在であり、現在では日本国籍を持つ人々が大多数です。「日本は〜できているか」という表現が、これらの人々を日本の外側に置いて評価するような書きぶりに受け取られる可能性を、検定調査の担当者が問題視したものです。表現のわずかな違いが、対象となる人々の位置づけをどう伝えるかに大きく影響するという、言葉の繊細さが浮き彫りになった事例といえます。
「『日本は』が『私たちは』になるだけで意味が変わってくる。言葉の重さを感じた」
「アイヌや沖縄の人たちを日本の外側に置いているように見えるという指摘は確かに鋭いと思う」
「プリンはプディングじゃないというのは初めて知った。教科書でも細かくチェックされるんだね」
「アンネ・フランクが『生徒に理解しがたい』とされたのはなぜ?もっと詳しく説明してほしい」
「英語も時代とともに慣用表現が変わるんだと実感。教科書はネーティブの今の言い方に合わせているんだ」
「プリン」はNGだった、アンネ・フランクもエマ・ワトソンに差し替え
今回の検定では、日常的な言葉をめぐる「細かな」指摘も相次ぎました。英国の料理「プディング」について脚注で「プリン」と解説した論理国語の教科書は、「誤解を招く」と指摘されました。日本人が想像する「カスタードプリン」(洋菓子の一種)とは異なる食べ物であるという理由で、修正されたうえで合格となりました。こうした細かな表現の問題も、生徒が誤解なく内容を理解できるかどうかという観点から修正が求められていることがわかります。
英語コミュニケーションIIの教科書では、「世代を超えて人気のある人物」を紹介するページで、喜劇俳優チャップリンらと並べてユダヤ人少女アンネ・フランクを掲載しようとしたところ、「生徒に理解しがたい表現」とされました。最終的に俳優のエマ・ワトソンさんへの差し替えが行われ合格しています。アンネ・フランクが「世代を超えて人気のある人物」という枠組みに収まりきらない複雑な存在であることや、「人気のある人物」というカテゴリーで語ることへの違和感が、この指摘の背景にあるものとみられます。
英語表現の「ネーティブらしさ」、将棋「勝負めし」の写真にも検定意見
英語表現をめぐっても、教科書内の言い回しが「ネーティブらしい現代の慣用表現かどうか」という観点からチェックされました。「many(多くの)」が「a lot of」に、「trumpeter(トランペット奏者)」が「trumpet player」に修正されています。文部科学省の担当者は「現代の慣用に照らし、ネーティブらしい表現かどうかチェックしている」と説明しました。
その他の指摘事例としては、将棋の名人戦で棋士が食べる「勝負めし」を紹介した写真に店舗の電話番号などが映り込み「営利企業の宣伝になる恐れがある」と判断された例、地学の教科書で2024年1月の能登半島地震のマグニチュードを誤記していたページがあった例なども報告されています。いずれも指摘を受けて修正されました。
教科書検定は、国民全体の共有財産として使われる教科書の品質を担保するための重要な仕組みです。今回の多様な修正事例は、言葉や表現の一つひとつが、それを学ぶ生徒たちの認識に影響を与えるという意味で、教科書作りの難しさを改めて示しています。
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まとめ
- 文部科学省が2026年3月24日、2027年度から使用する高校2年生向け教科書の検定結果を公表
- 申請8教科200点のうち196点が合格
- 琉球・沖縄やアイヌ民族への「日本はどれだけ尊重できているか」という表現が「私たちは」に変更
- 英国料理「プディング」を「プリン」と解説した脚注は「誤解を招く」として修正
- アンネ・フランクを「世代を超えて人気のある人物」として掲載しようとしたところ「理解しがたい」と指摘、エマ・ワトソンに差し替え
- 英語表現では「many」→「a lot of」など現代のネーティブ慣用表現への修正も
- 将棋「勝負めし」写真への店舗情報映り込みや、能登半島地震のマグニチュード誤記も修正対象となった