2025-08-04 コメント投稿する ▼
維新・阿部司総務会長が辞意 参院選不振で執行部刷新へ、後任と地方再建が焦点
維新・阿部司総務会長が辞意 参院選不振で執行部刷新の波
日本維新の会の阿部司総務会長が、参院選での不振を受けて辞任の意向を固めた。4日の党非公式会合で吉村洋文代表に伝えたもので、岩谷良平幹事長、前原誠司共同代表、漆間譲司国対委員長とともに辞意を表明した。阿部氏は執行部の一角として選挙戦の戦略や組織運営に関与してきたが、比例票の大幅減少という結果に責任を取る形だ。
地方議員出身の実務派
阿部氏は地方議員から国政へ転身し、政策の細部や選挙戦略の実務面に強いことで知られる。総務会長としては党の意思決定過程を取りまとめる役割を担い、特に地方組織との調整や候補者擁立の現場感覚を重視してきた。参院選では関西圏の地盤固めと地方都市での得票拡大を狙ったが、比例代表は前回の約784万票から約437万票に激減。関西以外での浸透不足が浮き彫りになった。
「顔」ではなく「基盤」を動かす人
阿部氏は表舞台で目立つタイプではないが、党内では基盤作りや裏方の調整力で評価されてきた。関係者によると、今回の辞意は単なる敗戦処理ではなく、「同じ顔ぶれで続けても有権者の信頼は戻らない」という危機感からくるものだという。特に地方組織の疲弊や候補者の層の薄さに対して、抜本的な改革が必要との思いが強かったとみられる。
有権者の声 「現場感覚のある人の辞任は痛い」
阿部氏の辞任意向について、市民からは次のような意見が聞かれる。
「現場を分かっている人がいなくなるのは痛手」
「責任を取る姿勢は評価するが、人材の入れ替えだけでは足りない」
「関西以外の組織作りにもっと注力してほしかった」
「吉村代表だけ残しても、方針が変わらなければ意味がない」
「選挙戦の戦略を担ってきた人が去ることで空白が心配」
刷新の成否は後任次第
阿部氏は、党の意思決定を支える「ハブ役」を務めてきただけに、その穴を誰が埋めるのかが焦点だ。地方組織とのパイプを持つ人材を据えられるかどうかが、今後の党勢回復に直結する。吉村代表は4人の辞意を即答せず留保しており、後任人事を含めた新体制の構築に慎重な姿勢を見せている。
維新が次の衆院選や地方選で勢いを取り戻すためには、顔ぶれの変更だけでなく、阿部氏が課題としてきた「地方組織の再構築」と「候補者育成」が不可欠だ。執行部刷新が本当に党の血を入れ替える契機になるのか、有権者の目は厳しい。