2025-11-09 コメント投稿する ▼
鈴木貴子氏「質問通告期限遵守」提案に批判殺到で「すごく凹む」霞が関長時間労働の実態も明らかに
自民党の鈴木貴子広報本部長氏が2025年11月8日、国会質問の事前通告期限遵守を各党に呼びかけた提案について、SNS上で批判的なコメントが多数寄せられたことを受け、「すごく凹みます」と心境を吐露しました。 質問通告の到達時刻は平均で前日20時56分となっており、これが霞が関の深夜残業の大きな要因となっています。
質問通告ルールの実情と課題
国会質問の事前通告は、委員会開催日の2日前の正午までという与野党申し合わせがありますが、実際の遵守率は19パーセントにとどまっています。質問通告の到達時刻は平均で前日20時56分となっており、これが霞が関の深夜残業の大きな要因となっています。
木原稔官房長官氏は2025年11月7日の記者会見で、前日6日昼までに与野党からの事前通告は行われていたと説明しました。しかし一方で、高市早苗首相氏は7日、衆院予算委員会に備えて異例の午前3時から打ち合わせに臨み波紋を広げました。
「質問通告の期限を守ってほしい。仕事のやり方を変えないと官僚が疲弊するばかりだ」
「こんな働き方が続いたら、誰も公務員になりたがらなくなる」
「政治家が率先して改善に取り組むべき問題だと思う」
「期限を守らない議員の名前を公表したらどうだろうか」
「質問通告の遅れは与野党問わず改善が必要な課題だ」
鈴木氏の提案内容と真意
鈴木氏は8日朝の投稿で「各党各会派の皆さん、みんなで質問通告期限を守りませんか?」と呼びかけました。同氏は「特定の党派会派への呼びかけではありません」「自民党内における周知徹底も改めて呼びかけます」と説明し、超党派での取り組みを求める姿勢を示しました。
また「国民の皆さんに、質疑を通じて課題意識、進捗状況、今後の方針などをより分かりやすく伝えるためにも合理的かつ効率的な質問通告に取り組みませんか?」として、国民のための政治という大義を強調しました。
批判の内容と鈴木氏の落胆
しかし同日夜の投稿では、想定外の批判コメントが寄せられたことを明かしました。鈴木氏によると「印象操作」「詐欺師」「嘘つき」「前日には通告完了」などの厳しい言葉が並んだといいます。
同氏は「ファイティングポーズではなく、みんなで手を合わせてエイエイオー!をイメージしてただけに、なんかすごく凹みます」と率直な心境を記しました。善意の提案が批判に転じた現実に困惑を隠せない様子がうかがえます。
官僚の長時間労働と国会改革
質問通告の遅れは霞が関の深刻な長時間労働の原因となっています。各省庁職員は質問通告が届くまで「国会待機」と呼ばれる職場待機を強いられ、通告後に答弁作成作業が始まります。答弁作成完了は平均で翌2時56分と、完全に深夜勤務となっているのが実情です。
内閣人事局の調査によると、全質問通告が出そろう時刻は前日20時56分となっており、2日前正午の申し合わせとは大きくかけ離れています。この状況について、現場の官僚からは「優秀な人材確保には長時間労働の縮減が欠かせない」「今のままでは優秀な人材に敬遠される」といった深刻な声が上がっています。
今回の騒動は、国会改革の必要性を改めて浮き彫りにしました。与野党を問わず質問通告期限の遵守と、持続可能な国会運営のあり方が問われています。鈴木氏の提案は批判を浴びましたが、根本的な問題解決に向けた議論の契機となる可能性もあります。