2025-04-24 コメント投稿する ▼
沖縄のザトウクジラ繁殖海域に高速船計画 国際保全団体が玉城知事に懸念書簡
沖縄のザトウクジラ繁殖海域での超高速船運航計画に国際団体が懸念
国際的な海洋保全団体や著名な科学者ら11人が、沖縄県のザトウクジラ繁殖海域での超高速船「ジェットフォイル」の運航計画に対し、玉城デニー知事宛てに懸念を示す書簡を送付したことが明らかになった。書簡では、「人間と野生生物の双方の安全を確保するため」として、運航の再検討を求めている。
懸念の背景と書簡の内容
書簡を提出したのは、クジラやイルカの保全に取り組む国際団体「WDC」やドイツ・スペインの海洋保全団体「M.E.E.R.」の代表者、海洋科学者ら11人。彼らは、運航の許認可権限を持つ国土交通省や環境省にも同様の書簡を提出した。書簡では、ザトウクジラの繁殖海域である沖縄でジェットフォイルの運航を許可することが、沖縄の国際的な観光地としての評価を損なう可能性があると指摘している。
ザトウクジラと沖縄の関係
ザトウクジラは、毎年冬に沖縄の海にやってきて繁殖を行う。そのダイナミックなジャンプなどの行動は、ホエールウォッチングの人気者として知られている。沖縄美ら島財団などの研究によれば、ザトウクジラは国内の4海域(沖縄、小笠原、奄美、北海道)を1つの集団として利用していることが判明しており、保全に向けて貴重な発見とされている。
ジェットフォイル運航の影響と今後の対応
ジェットフォイルは、船体を海面から浮かせて高速で航行する船舶であり、その運航がザトウクジラの繁殖や移動に影響を与える可能性が懸念されている。特に、繁殖海域での高速航行は、クジラとの衝突リスクを高める恐れがある。国際団体は、沖縄県や関係省庁に対し、運航計画の再検討と、クジラとの共存を図るための対策を求めている。
- 国際的な海洋保全団体や科学者らが、沖縄県知事にジェットフォイル運航計画への懸念を示す書簡を送付。
- 書簡では、ザトウクジラの繁殖海域での運航が、観光地としての評価を損なう可能性を指摘。
- ザトウクジラは、沖縄を含む国内4海域を1つの集団として利用しており、保全が重要。
- ジェットフォイルの高速航行が、クジラとの衝突リスクを高める恐れがある。
- 国際団体は、運航計画の再検討とクジラとの共存を図る対策を求めている。
沖縄県や関係省庁は、これらの懸念を踏まえ、ジェットフォイルの運航計画について慎重な対応が求められる。クジラとの共存を図るための具体的な対策や、環境への影響評価を行うことが、今後の課題となる。