2025-04-13 コメント投稿する ▼
公約観光立県・沖縄の道路標識、全国最悪の劣化 背景に自然環境と県の申請遅れ
調査で明らかになった劣化状況
古河電工と東北大学が共同で昨年12月に行った全国調査では、全国47都道府県で1県あたり150人ずつ、計7050人から回答を得た。その結果、沖縄県では「メンテナンスが必要な道路標識をよく見る・たまに見る」と回答した人の割合が67.3%と全国で最も高かった。横断歩道や区画線などの道路標示も86.7%と全国2位、信号機や街路樹、防護柵に至っても、沖縄はすべて全国トップの「劣化認知率」となった。
また、「県が道路をきちんと管理していると思うか」との問いに対し、「全くそう思わない」「あまりそう思わない」と答えた割合は沖縄県が41.3%と最も高く、県民の間でも道路インフラの維持管理に対する不信が広がっている。
紫外線と塩害、厳しい自然条件
沖縄は亜熱帯性気候で紫外線が強く、また四方を海に囲まれていることから塩害の影響を受けやすい。台風の通過も多く、道路標識や防護柵などの劣化スピードは本土よりもはるかに早いとされている。沖縄本島中部を担当する土木事務所では、「腐食したボルトで標識が落下しかねない箇所が多く、優先度の高いものからしか手が回らない」と危機感を語る。
県の調べでは、現在視認性に問題がある案内標識が約300基確認されているが、更新できるのは年間30基程度にとどまり、遅れは積み上がる一方だ。
背景にあるのは「予算不足」ではなく「申請不足」か
こうしたインフラの整備には、国が交付する沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)を活用することができる。しかし、補助金は申請に基づいて配分される仕組みであり、県側が具体的な補修計画を提出しなければ予算はつかない。
自民党沖縄県連の幹部は「沖縄特有の自然環境を踏まえた計画をもとに、国と交渉するのが県の役割だが、現在の県政はその努力を怠っている」と批判する。政府による恣意的な予算配分ではなく、県側の計画立案と説明責任の不足が根本原因ではないかという指摘だ。
玉城知事も「遅れ」認める
玉城デニー知事は4月11日の定例記者会見で、「道路の維持補修の取り組みがやや遅れていることは認識している」と述べ、国道を所管する内閣府沖縄総合事務局などと連携し、改善を急ぐ姿勢を示した。ただし、予算の実行には県としての申請と調整が必要であり、単なる協議だけでは事態の好転は見込めない。
観光立県としての信頼に関わる問題
沖縄を訪れる観光客の多くはレンタカーで移動する。見えづらい標識やかすれた横断歩道は、単に不便なだけでなく、安全にも関わる重大な課題だ。県が管理する道路は補助国道を含め約1200キロに及び、観光地のイメージにも直結する。
「観光立県」を掲げる沖縄県にとって、道路インフラの劣化は放置すれば信頼と評価を損ねるリスクとなる。今こそ、自然条件の厳しさを踏まえた現実的な維持管理計画を立て、国と連携して確実に実行する姿勢が求められている。
この投稿は玉城デニーの公約「上下水道、道路、港湾などの老朽化対策及び耐震化に取り組みます。」に関連する活動情報です。この公約は50点の得点で、公約偏差値55、達成率は0%と評価されています。