2025-04-12 コメント投稿する ▼
責任は誰が負うのか──沖縄県ワシントン事務所閉鎖に1057万円、ずさんな手続きのツケ
支出の内訳には、事務所の運営をサポートしていた現地法人「ワシントンコア社」への委託料214万円が含まれており、現地スタッフの給与や事務所の賃料に充てられた。契約は随意契約で行われた。
法人格取得の不備から始まった混乱
この事務所を巡っては、設置当初から法人格を取得する際に必要な行政手続きが踏まれていなかったことが判明している。これが発端となり、株式の公有財産登録漏れ、経営状況の不透明さ、さらには県職員が兼職する際に必要な営利企業従事の許可を得ていなかった問題へと波及した。
県が設置した調査検証委員会は、こうした一連の問題について「手続きの正当性を示す明確な記録が存在しない」と指摘。ずさんな管理体制が浮き彫りとなった。
責任は誰に? 明言避ける県当局
一連の不備についての責任の所在を問われた又吉氏は、「まずは適正な手続きがどのようなものだったかを整理する必要がある。その上で当時の担当者や上司の職責を踏まえて確認する」と述べるにとどめ、個別の責任には踏み込まなかった。
また、県は昨年度に「公文書管理条例」を制定しており、「今後はこうした問題が起きないよう、文書管理にも力を入れていきたい」と再発防止への姿勢を強調した。
問われる行政のガバナンス
事務所設立から閉鎖に至るまで、手続きの不備や管理の甘さが指摘されてきたこの問題。情報公開の在り方や公務員の責任の取り方など、行政のガバナンス(統治能力)そのものが問われている。
県議会では今後、百条委員会によるさらなる調査が行われる見通しで、当時の関係者の証人喚問も視野に入れている。県民の税金が投入されていた以上、曖昧な説明では済まされない。県には、事実関係の徹底した解明と、明確な責任の所在を示すことが求められている。