2026-03-11 コメント投稿する ▼
鶴居村がメガソーラー阻止へ8850万円寄付集まる釧路湿原タンチョウ生息地を買い取り
北海道鶴居村が釧路湿原国立公園周辺での大規模太陽光発電所建設を阻止するため寄付を呼びかけ、計約8850万円が集まりました。2026年3月11日、村議会は約8350万円を民有地約27ヘクタールの買い取りなどに充てる補正予算を全会一致で可決しました。国の特別天然記念物タンチョウの生息地を守るための住民の戦いです。
全国から集まった8850万円
鶴居村は釧路湿原国立公園周辺での大規模太陽光発電所、いわゆるメガソーラーの建設を阻止して景観を守ろうと寄付を呼びかけました。2025年9月11日から30日まで受け付けた結果、計約8850万円が集まったのです。
村議会は2026年3月11日、このうち約8350万円を村内の民有地計約27ヘクタールの買い取りなどに充てる補正予算を全会一致で可決、成立させました。今月末までに買い取る予定です。残金はタンチョウや湿原の保全などの基金とする方針です。
「自然を守るために寄付したい全国の人がこれだけいるんだな」
「タンチョウの住む場所を守れてよかった本当に」
「メガソーラーで景観破壊とか許せない寄付して正解だった」
「鶴居村の決断を支持する自治体はこうあるべき」
「小泉進次郎の規制緩和が諸悪の根源だろ責任取れよ」
全国から集まった寄付金は、国民の自然保護への強い思いを示しています。
タンチョウの撮影スポットを守る
鶴居村は国の特別天然記念物タンチョウの生息地として有名です。撮影スポットの橋からタンチョウを撮ると、今回買い取る民有地が背景となります。この民有地では大阪市の「日本エコロジー」が一時メガソーラーの建設を計画していました。
大石正行村長は議会での答弁で「地元だけでなく、多くの方と共有する財産だと認識した」と述べました。さらに「今日までタンチョウの保護保全活動に取り組んできたものを次の時代にもしっかりと引き継いでいかなければならない」と語っています。
鶴居村は2025年12月にも、日本エコロジーがメガソーラー施設の建設を計画していた村内の民有地約7.5ヘクタールを、公益社団法人日本ナショナル・トラスト協会と費用300万円を折半して購入しています。今回の買い取りは、景観保護のための2度目の土地取得です。
釧路湿原を破壊するメガソーラー
釧路湿原は2万8000ヘクタール(東京ドーム6100個分)の広さを持つ日本最大の湿原です。1980年には湿地の保全をめざすラムサール条約に日本で初めて登録されました。湿原とその周辺部には2000種以上の動植物が生息し、タンチョウやキタサンショウウオなど絶滅危惧種も含まれます。
しかし、この自然の宝庫がいま、太陽光発電の乱開発にさらされているのです。驚くことに、国立公園となっている湿原内でも太陽光発電の開発が行われています。約1.5キロメートルにわたり続くパネルは、「すずらん釧路町太陽光発電所」と「釧路町トリトウシ原野太陽光発電所」のもので、230万平方メートル(東京ドーム49個分)の土地に37万枚が並べてあるといいます。
釧路市内のメガソーラー(発電容量1メガワット超)は22か所。小規模なものを含めると、正直、どの程度あるのか把握しきれない状況です。太陽光パネルをつくりたいとの問い合わせは2025年度だけで数百件あり、2026年はさらに増えています。そのなかには、外資も数多く含まれているのです。
小泉進次郎の規制緩和が元凶
釧路に太陽光発電が急激に増えたのはこの10年のことです。2014年6月には釧路市と隣の釧路町を合わせてメガソーラーは1件でしたが、現在は27件。発電容量10キロワット以上の施設は116件から771件に急増しました。
背景には2012年に始まった「固定価格買取制度(FIT)」があります。再生可能エネルギーで発電した電気を、国の定めた価格で電気事業者が買い取る制度です。メガソーラーの買い取り期間は20年で、設備認定を受けた年度の価格がずっと適用されます。FITが始まった2012年度は1キロワット時当たり42円と超高額でした。それを目当てにしたメガソーラー業者が急増し、ドイツやスペインといった外資系企業による土地買収も相次いだのです。
さらに住民たちが憤るのは、「そもそも国立公園内にメガソーラーをつくると言い出したのは小泉進次郎だ」という点です。進次郎氏が環境大臣だった2020年に、国立公園内で再生可能エネルギー発電所の設置を進める規制緩和を打ち出したことが、開発を加速させたというのです。
杜撰な環境調査と違法開発
日本エコロジーは環境省釧路湿原野生生物保護センター付近の約4.2ヘクタールの民有地にソーラーパネル6600枚を設置する計画を進めています。同社は釧路市のガイドラインに沿った希少生物の生息調査を実施し、タンチョウだけでなく絶滅危惧種のキタサンショウウオやオジロワシなどの猛禽類も建設現場には生息していないとしていました。
しかし、2025年7月、報道機関のカメラが建設現場近くを歩く2羽のタンチョウの姿を捉えました。つがいでしょうか。近くには、この春生まれたばかりのヒナの姿も確認できました。別の日に撮影された映像では、タンチョウの親子のすぐ後ろで重機を使った工事が行われていました。建設現場からわずか100メートルほどの場所です。
釧路市立博物館によると、日本エコロジーが行ったタンチョウの調査は専門家への聞き取りだけで、現地での生息調査は行われていませんでした。また、国の天然記念物オジロワシについては、2月中旬から9月下旬の繁殖期に最低でも毎月3日間調査することが必要だと環境省のガイドラインで定められていますが、実際には2024年10月に3日間行われただけでした。さらに、日本で繁殖する猛禽類のうち最も生息数が少ないチュウヒについては、調査すらしていなかったのです。
文化庁は2025年8月、調査が不十分なまま工事が行われている場合「原状回復を命じる可能性もある」という見解を釧路市に伝えました。文化庁が太陽光発電施設の建設について見解を示すのは、全国で初めてのことです。阿部俊子文部科学相は「天然記念物の滅失や毀損につながることがないように、市教委で適切に指導してほしい」と述べました。
しかし日本エコロジーは「適法かつ多大な費用を伴う事業で、単なる中止要請の受け入れは難しい」と答え、事業中止を求めた釧路市議らに反発しています。
自治体による土地買い取りが唯一の解決策
国が規制緩和を進め、外資系企業が利益だけを求めてメガソーラーを建設する。杜撰な環境調査で希少生物の生息地を破壊し、国立公園の景観を台無しにする。文化庁や環境省が懸念を示しても、事業者は「適法だ」と開き直る。
この構図の中で、鶴居村は自治体として異例の対応に踏み切りました。全国からの寄付を募り、メガソーラー建設予定地を買い取るという選択です。約8850万円という金額は、小さな村にとって決して小さくありません。しかし、タンチョウの生息地と釧路湿原の景観を守るためには、これしか方法がなかったのです。
日本エコロジーとの交渉では、土地購入費約400万円に加えて、元の所有者からの土地購入費用や森林伐採などにかけた費用に対する補償として約7600万円を支払う契約を結ぶ方向で調整しました。事業者に補償金まで支払わなければならないのは理不尽ですが、建設を阻止するためにはやむを得ない判断でした。
大石正行村長の「地元だけでなく、多くの方と共有する財産だと認識した」という言葉には、釧路湿原とタンチョウが日本国民全体の宝であるという認識が込められています。全国から8850万円もの寄付が集まったことが、それを証明しています。
小泉進次郎は責任を取れ
問題の根本は、小泉進次郎氏が環境大臣時代に進めた規制緩和です。国立公園内で再生可能エネルギー発電所の設置を進めるという政策は、一見すると環境に優しいように聞こえます。しかし実態は、外資系企業が日本の貴重な自然を破壊して利益を得るための道を開いただけでした。
FIT制度で超高額の買い取り価格を設定し、メガソーラー業者を呼び込んだのも政府です。その結果、釧路湿原は太陽光パネルの海に変わりつつあります。国の特別天然記念物タンチョウの営巣地も、絶滅危惧種キタサンショウウオの生息地も、太陽光で潰されているのです。
鶴居村のように、自治体が自らの財源で土地を買い取らなければ自然を守れないという状況は異常です。本来であれば、国が規制を強化し、環境調査を厳格化し、違法な開発を取り締まるべきです。しかし規制緩和を進めた小泉進次郎氏は、何の責任も取っていません。
再生可能エネルギーの推進は必要です。しかし、それは日本の貴重な自然を破壊してまで進めるべきものではありません。国立公園でのメガソーラー建設を認めた規制緩和は、明らかに間違っていました。小泉進次郎氏は自らの政策の誤りを認め、釧路湿原で起きている環境破壊に対して責任を取るべきです。
鶴居村の決断は、小さな自治体が国の誤った政策に抗い、住民と全国の支援者とともに自然を守り抜いた素晴らしい事例です。しかし、本来このような負担を自治体に強いるべきではありません。国が政策を改め、日本の自然を守る仕組みを整備することこそが、真の解決策なのです。