2025-11-14 コメント投稿する ▼
北陸新幹線敦賀新大阪延伸で西脇隆俊京都府知事が自民維新新枠組みでの議論推移見守ると表明
自民・維新による新たな枠組み設置で、京都府知事が北陸新幹線ルート議論の推移見守る姿勢。 北陸新幹線敦賀(福井県)-新大阪延伸を巡り、自民党と日本維新の会が与党プロジェクトチーム設置で合意したことについて、京都府の西脇隆俊知事は2025年11月14日の記者会見で、新たな枠組みで議論していただくことに尽きると述べ、推移を見守る姿勢を示しました。
北陸新幹線敦賀(福井県)-新大阪延伸を巡り、自民党と日本維新の会が与党プロジェクトチーム設置で合意したことについて、京都府の西脇隆俊知事は2025年11月14日の記者会見で、新たな枠組みで議論していただくことに尽きると述べ、推移を見守る姿勢を示しました。この発言は、従来の小浜京都ルートから米原ルートを含む費用対効果の再検証が進められる可能性を受けたものです。
連立政権誕生で新幹線ルート議論にも変化
高市早苗政権の下で自民党と日本維新の会による連立政権が発足したことで、北陸新幹線のルート議論にも新たな展開が生まれています。これまで自民党と公明党で構成されていた与党整備委員会に代わり、自民党と維新による新たなプロジェクトチームが設置される見通しとなりました。
西脇知事は記者会見で、「費用対効果を再検証しようとする流れは、枠組みが変わっても影響はない。新たな枠組みで議論していただくことに尽きる」と述べ、政党の組み合わせが変わっても本質的な課題は変わらないとの認識を示しました。
「建設費が倍になって、本当に必要なのか疑問」
「地下水への影響が心配で反対している住民の声も聞いてほしい」
「米原ルートの方が早くて安いなら、そっちを検討すべき」
「どのルートでもいいから、早く大阪とつながってほしい」
「税金の無駄遣いにならないよう慎重に検討して」
西田参院議員が小浜京都ルート推進から方針転換
ルート議論の変化の背景には、2025年7月の参議院選挙京都府選挙区の結果があります。与党整備委員会委員長として現行の「小浜京都ルート」を推進してきた自民党の西田昌司参院議員が、滋賀県を通る「米原ルート」への転換を訴えた維新新人の新実彰平氏に敗れ、2位当選に終わったことが大きな転機となりました。
この結果を受け、西田議員は従来の「米原ルートは終わった話」という姿勢から一転し、米原ルートを含めた費用対効果の再検証を行う方針を表明しました。西田議員は「参院選の結果を受け、もう一度検証する必要があると考えた」と述べ、国土交通省に米原案と舞鶴案の再試算を求める意向を示しています。
建設費高騰で見直し論が拡大
小浜京都ルートをめぐっては、当初2016年に想定された約2兆1000億円の建設費が、最新の試算では3兆4000億円から3兆9000億円へと大幅に上振れすることが明らかになっています。資材高や人手不足を背景とした建設費の急騰が、ルート見直し論を後押しする要因となっています。
一方、米原ルートは建設距離が約50キロと短く、小浜京都ルートの約140キロに比べて建設費を大幅に抑制できる可能性があります。しかし、東海道新幹線への乗り入れができないという技術的課題や、滋賀県の同意が得られていないという問題も残されています。
維新内にも小浜ルート見直し論
日本維新の会内には小浜京都ルートの見直し論が根強くあります。吉村洋文共同代表(大阪府知事)は参院選後に「京都府民の意見が結果に出た。小浜ルートだけで突き進むのは違う」と強調し、米原ルートも含めた検討を求めています。
自民党内でも石川県選出の国会議員らから米原ルートを推す声が上がっており、両党による新たなプロジェクトチームでは、これまでとは異なる議論展開が予想されます。小林鷹之政調会長は「自民党としてまだ見解がまとまっているわけではない。冷静に建設的に議論したい」と述べており、党内調整も並行して進められる見通しです。
地元への影響配慮も課題
ルート議論の行方は、沿線自治体の財政負担や住民生活への影響にも大きく関わってきます。京都府内では、小浜京都ルートによる地下水への影響や建設残土の処分問題への懸念が強く、着工への道筋が見えない状況が続いています。
西脇知事が新たな枠組みでの議論を見守る姿勢を示したのは、どのルートが選ばれるにせよ、地元への十分な説明と理解が不可欠であることを重視しているためとみられます。府民の理解なくして進められない大型インフラ事業として、慎重な議論継続を求める姿勢を示したものといえるでしょう。
今後は自民党と維新による新たな検討体制の下で、費用対効果や技術的課題、地元自治体の意向を総合的に勘案した議論が展開されることになります。高市政権の重要政策として位置づけられる北陸新幹線の新大阪延伸が、どのような形で実現されるのか注目が集まっています。