2025-06-03 コメント: 2件 ▼
高市早苗氏、石破首相の“ギリシャ以下”発言に反論 CDSレートを基に財務省へ苦言
高市早苗氏、財務省と与党幹部に苦言 日本の財政評価めぐる発言に警鐘
自民党の高市早苗衆議院議員が、X(旧Twitter)で石破首相や森山幹事長の発言に対し、財政への誤解と市場混乱を招きかねないとする強い懸念を示した。背景には、日本の信用リスクを示す指標であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)レートの推移と、政府・与党の発信との間にある齟齬がある。
「ギリシャ以下」発言に反論 高市氏の指摘
5月19日の参議院予算委員会で、石破首相が「我が国の財政状況は間違いなく極めてよろしくないと、ギリシャよりもよろしくないといった状況でございます」と答弁したことがきっかけとなった。これに対し高市氏は、自民党税調の場で、発言の根拠をCDSレートに照らして問い質したという。
「CDSは、世界中の市場参加者が保険料を決める仕組み。危ない国ほど高く、日本はG7で2位でした」
と指摘し、当日のCDSレートを提示。日本は19.77と、イタリア(53.35)やギリシャ(55.35)よりはるかに低かったことを挙げ、石破答弁との整合性に疑問を呈した。
森山幹事長の講演発言にも苦言
石破首相の発言に続き、森山幹事長が「日本の国債の評価がギリギリのところまで落ちている」と週末の講演で述べたことも、高市氏は看過できなかったようだ。6月2日時点のCDSレートをチェックした結果、日本は21.22でG7中3位に後退。それでもイタリアやフランスよりは依然として低い水準である。
「総理や与党幹部の御発言は影響力が大きく、本当の信用不安を引き起こしてしまうかもしれません」
と述べ、無責任な言動が市場を動揺させかねないと強く警鐘を鳴らした。
財務省の説明責任と市場への配慮を要求
高市氏は、石破首相の答弁書を作成した財務省にも矛先を向けた。自身の質問に対し、財務省は「債務残高対GDP」を根拠にしたと答えたが、それだけでは十分ではないと高市氏は考えている。
「日本を、自ら貶めてはいけません」
という一文には、政府関係者の責任感と戦略的発言の必要性が強く滲む。市場との対話を重視しない発信が、国益を損なうとの強い危機感が見て取れる。
ネットユーザーの反応
XなどSNS上でも、高市氏の冷静な対応と、データに基づいた指摘に賛同の声が多数上がっている。
「高市さんの指摘は的確。CDSレートを見れば日本の信用度は高いことがわかる」
「財務省はもっと市場の声を聞いて慎重な発言を」
「G7で3位ならむしろ健全な方。ギリシャ以下というのは明らかにミスリード」
「高市議員のように数字をもとに話せる政治家が必要だ」
「不安を煽る発言は控えてほしい。日本の価値を守る議論を」
正確な財政認識と冷静な発言を
高市早苗氏の主張は、単なる批判ではなく、国の信用力を客観的に捉えたうえで、政治家としての慎重な言動を求めるものだ。財政再建の必要性を否定しているわけではなく、市場との対話を軽視することへの強い戒めと言える。
今後、政府や与党幹部の発言が、国内外の市場にどう影響を及ぼすか。政治の現場に求められるのは、責任ある言葉と正確な情報に基づいた対話姿勢だろう。