2025-04-10 コメント投稿する ▼
高市早苗氏、「南モンゴルの人権問題がG7で無視されている」と指摘
G7の共同声明に「空白」
G7サミットでは、過去数年にわたり中国による人権弾圧が取り上げられてきた。新疆ウイグル自治区での少数民族弾圧や、チベットの宗教的自由の制限、香港での民主派弾圧などが挙げられ、G7各国が共同で懸念を表明してきた。しかし、同じく中国国内での同化政策に苦しむ南モンゴル(中国内モンゴル自治区)については、2023年の広島サミット、2024年のイタリア・プーリアサミットともに、言及が一度もなかった。
モンゴル語教育の圧迫
議連の会合では、南モンゴルの実情も共有された。2020年秋以降、内モンゴル自治区内の小中学校では、モンゴル語の教科書が中国語(標準語)に切り替えられた。大学受験も2025年からは完全に中国語で行われる見通しで、現地のモンゴル系住民からは「母語を奪われている」という切実な声が上がっている。
事務局長を務める石橋林太郎衆院議員は、「言葉を奪うというのは、民族の存在そのものを消すことに等しい」と語り、中国政府の同化政策に強い懸念を示した。
声を上げられない南モンゴルの実態
さらに会合では、情報統制の厳しさも取り上げられた。南モンゴル民主連盟の代表であるハダ氏は、中国当局により長年にわたって軟禁状態に置かれており、現在も連絡が取れない状況が続いているという。ハダ氏は、今年のノーベル平和賞候補にも推薦されているが、その所在すら不明のままだ。
議連幹事長の山田宏参院議員は、「国際社会が声を上げない限り、こうした弾圧は見過ごされ続けてしまう」と危機感をにじませた。
政府への働きかけ強化へ
高市氏は今後、日本政府としてG7各国に対し、南モンゴルの人権状況も共同声明に盛り込むよう正式に働きかけるべきだと主張。人権外交の中で、南モンゴルの問題が取り残されている現状を打破する必要があると訴えた。