2026-04-10 コメント投稿する ▼
高市早苗首相、石油国家備蓄20日分を追加放出へ――ホルムズ危機で第2弾表明
政府は2026年4月10日、中東情勢に関する関係閣僚会議の第3回会合を開き、高市早苗首相は5月上旬以降に石油の国家備蓄の約20日分を追加放出すると表明しました。 日本は輸入原油の約9割を中東に依存しており、その大半がホルムズ海峡を経由するため、今回の危機は日本にとって特に深刻な影響をもたらしています。
今回の事態の発端は2026年2月28日、米国とイスラエルによるイラン攻撃です。攻撃を受けたイランは、世界最大の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡の通航を著しく制限し、事実上の封鎖状態が続いています。ホルムズ海峡は1日あたり約2000万バレル、世界の石油消費量の約2割が通過する「エネルギーの大動脈」です。日本は輸入原油の約9割を中東に依存しており、その大半がホルムズ海峡を経由するため、今回の危機は日本にとって特に深刻な影響をもたらしています。
第1弾から第2弾へ――備蓄放出の経緯と規模
政府はホルムズ海峡の事実上の封鎖が始まった直後の3月11日、過去最大規模となる石油備蓄の放出を決定しました。まず3月16日から石油元売り企業への民間備蓄義務を70日分から55日分に引き下げることで15日分を市場に供給し、3月26日からは国家備蓄の30日分、約850万キロリットルを11カ所の基地から順次放出しました。この規模は2022年以来4年ぶりで、過去最大となっています。
今回表明した第2弾の約20日分は、こうした積み重ねの上に行われる追加措置です。高市首相は会議で「日本全体として必要な量は確保している」と強調しつつも、「一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じている」として各大臣に対応を指示しました。2026年1月末時点で国家備蓄146日分・民間備蓄88日分・産油国共同備蓄6日分の合計約240日分を保有していますが、連続する備蓄放出によって総量は徐々に減少しています。
ナフサ・医療製品・同志国支援——広がる危機対応
高市首相はエネルギーにとどまらず、幅広い物資の安定供給確保にも言及しました。ごみ袋や食品包装容器など日常生活に欠かせないプラスチック製品の原料となるナフサは、原油を精製して作られ、その7割以上を中東からの輸入に頼っています。国内化学メーカーはすでにエチレン製造設備の減産を開始しており、政府は川下産業への影響を防ぐための対応策をとりまとめるよう関係閣僚に指示しました。
医療関係製品についても、供給確保のためにアジア諸国との「相互協力支援を検討する必要がある」と述べ、生産拠点を持つアジアの国々と連携して供給網を強化する考えを示しました。また、石油の調達で支援要請が届いている同志国については個別に対応を進めていると説明しており、日本が自国対応にとどまらない姿勢も示しました。
SNS上でも今回の備蓄放出と政府対応への声が広がっています。
「原油の9割を中東に頼ってきた構造がずっと問題だった。今こそ転換のチャンスだ」
「第2弾の備蓄放出は安心材料だけど、中東依存からの脱却を急いでほしい」
「ナフサが不足するとプラスチック製品まで影響する。食品包装に関わる話だと知って驚いた」
「高市首相が同志国への石油支援にも対応しているのは評価できる。国際協力は重要だ」
「備蓄は有限。今すぐ省エネと代替エネルギーへの具体的な投資を示してほしい」
代替ルートの確保と長期化への備え――問われるエネルギー安全保障
政府は備蓄放出と並行して、ホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達ルート確保も急ピッチで進めています。UAEのフジャイラ港やサウジアラビアのヤンブー港など、ホルムズ海峡を経由しないルートからのタンカーが相次いで日本へ到着しています。高市首相はトランプ大統領との首脳会談でも米国産エネルギーの活用拡大を協議しており、カザフスタン、ブラジル、カナダなど中東以外への調達先多様化も検討されています。
今回の中東危機は、日本がいかにエネルギー調達先を中東に依存してきたかを改めて突き付けました。数十年にわたるエネルギー政策の選択の結果として蓄積されたこの脆弱性を克服するには、備蓄放出という緊急措置だけでは不十分です。代替調達先の分散化と、省エネや再生可能エネルギーへの本格的な転換が、一刻の猶予も許されない課題として浮かび上がっています。
まとめ
- 高市早苗首相は2026年4月10日、石油の国家備蓄約20日分を5月上旬以降に追加放出すると表明
- 2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃を機に、ホルムズ海峡が事実上封鎖中
- 第1弾として3月に国家備蓄30日分+民間備蓄15日分の計45日分を過去最大規模で放出済み
- 日本は輸入原油の約9割を中東に依存しており、今回の危機の影響は特に深刻
- ナフサ不足によりプラスチック製品・化学品の生産にも影響が及ぶ懸念あり
- 医療関係製品の確保に向けアジア諸国との相互協力支援を検討する方針
- UAEのフジャイラ港やサウジアラビアのヤンブー港など代替調達ルートの確保を急ぐ
- 中東エネルギー依存という数十年来の構造問題の解決が喫緊の課題として浮上