2026-02-11 コメント投稿する ▼
高市首相の食料品消費税ゼロ公約、年5兆円財源めど立たず国民会議丸投げ
高市氏が消費税減税の議論を国民会議に委ねる姿勢を示していることについて、野党や党内からは「丸投げ」との批判が出ています。 高市氏は消費税減税を「給付付き税額控除制度を導入するまでのつなぎ」と位置づけています。
高市氏は衆院選で自民党を316議席へと導き、単独で3分の2を獲得する戦後初の快挙を成し遂げました。この圧倒的な勝利を背景に、消費税減税という大胆な公約の実現に意欲を見せています。
夏前中間報告も実施は2028年か
高市氏は2月9日の記者会見で「国民会議でスケジュールや財源の在り方など、実現に向けた諸課題の検討を進めていく」と述べ、「夏前に中間取りまとめを行いたい」と強調しました。
ところが、このスケジュールには大きな疑問符がつきます。高市氏は選挙前に「2026年度中の実施」を目指すと明言していましたが、夏前の中間報告では到底間に合いません。秋の臨時国会で関連法案を提出したとしても、実際の減税実施は早くて2027年1月か4月、場合によっては2028年までずれ込む可能性が指摘されています。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「選挙前までは慎重な見方をしていたが、衆院選で公約して大勝した以上、もうやるしかない、という雰囲気になっている」と指摘する一方で、スケジュールの遅れは避けられないとの見方を示しています。
「国民会議で議論って、結局やる気あるのか」
「5兆円の財源、本当に赤字国債なしで確保できるの」
「選挙のときは威勢よかったのに、急にトーンダウンしてる」
「給付付き税額控除の方が先じゃないのか」
「2年後に税率戻すとき、また選挙で負けるぞ」
高市氏の発言は二転三転
消費税減税をめぐる高市氏の発言は、実は二転三転してきました。
2025年5月、自民党税制調査会の勉強会後には「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべきだ」と強調していました。ところが同年秋の総裁選では「物価高対策として即応性がない」として慎重姿勢に転換。総裁選出後の10月4日の記者会見では「選択肢として放棄するものではないが、すぐ対応できることを優先したい」とさらにトーンダウンしました。
それが2026年1月の衆院解散表明時には一転、消費税ゼロを「私自身の悲願だ」と発言。しかし選挙戦中はほとんど言及せず、公示日の1月27日の演説では触れることすらありませんでした。
東京新聞は「私の悲願とまで強調していた消費税減税の実施に対し、高市早苗首相の発言に曖昧さが目立ってきた」と指摘し、財政への影響を懸念した金融市場の混乱への警戒感がにじむと分析しています。
実際、高市氏は1月26日の党首討論で2026年度中の実施に言及したものの、「内閣総理大臣として」の目標と前置きし、党としては「国民会議で詰めた上で実施したい」と立場を使い分けました。同日のテレビ番組では、国民会議で合意に至らなければ関連法案の提出は難しいとの認識を示し、さらにトーンダウンしています。
年5兆円の財源確保は困難
最大の課題は、年間5兆円という巨額の財源をどう確保するかです。
高市氏は「特例公債の発行に頼ることなく、補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などにより、2年分の財源を確保する」と述べています。選挙戦では税収上振れ分の活用や富裕層への課税強化、外国為替資金特別会計の剰余金活用といった財源案が浮上しました。
しかし、これらの財源案で本当に5兆円を賄えるのか、専門家の間では懐疑的な見方が広がっています。野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「仮に食料品の消費税率を2年間ゼロにする消費税減税を実施したとしても、2年後に税率を戻すのは簡単でない」と指摘します。
木内氏は「国民はそれを増税と感じて反発する」とし、2028年の次回参院選で自民党が予定通り食料品の消費税率を元に戻すことを主張する一方、野党が税率を上げることに反対する場合、選挙戦は自民党にとってかなり不利になる可能性があると警告しています。
国民会議「丸投げ」への批判
高市氏が消費税減税の議論を国民会議に委ねる姿勢を示していることについて、野党や党内からは「丸投げ」との批判が出ています。
国民会議は社会保障と税の一体改革を議論する超党派の枠組みですが、野党各党の消費税減税案はそれぞれ異なり、議論は紛糾する可能性が高いとされています。高市氏は夏前に中間とりまとめを行うとしていますが、それでは2026年度中の実施には間に合いません。
日本経済新聞は「消費税減税を巡る発言が変化しているのではないかと質問を受け『私自身の悲願だった』と説明した」と報じ、発言のぶれは選挙目当ての日和見主義との批判を受けかねないと指摘しています。
政府高官の一人は東京新聞の取材に対し「やると決まったわけではない」と語っており、自民党内でも「実現しない」との声が上がっているといいます。
給付付き税額控除への転換か
高市氏は消費税減税を「給付付き税額控除制度を導入するまでのつなぎ」と位置づけています。給付付き税額控除とは、所得税の税額控除と給付を組み合わせた制度で、中低所得者の手取りを増やす効果があるとされます。
しかし木内氏は「消費税減税を給付付き税額控除制度を導入するまでのつなぎとは言えなくなるだろう。そうであれば、物価高対策としては抜本的な対応となる給付付き税額控除制度の議論を進めた方が良い、という結論になるのではないか」と分析しています。
国民会議での野党や有識者との議論を経て、消費税減税を実施するのではなく給付付き税額控除制度の議論を優先させるとの結論を出しても、国民からは強い批判は出ないのではないかとの見方もあります。
実際、J-CASTニュースが報じた朝日新聞の林尚行氏のコメントでは「問題はマーケットです。マーケットが高市さんの唯一のブレーキ役になる可能性があるので、円安、金利を注視することになると思う」と述べており、金融市場の動向が消費税減税実施の鍵を握るとの認識が示されています。
自民党内外に慎重論
東京新聞は「消費税を巡る高市氏の姿勢のぶれや、『責任ある積極財政』への懸念などから党内外にも慎重論がくすぶる」と報じています。
政府・自民党はこれまで、野党が国政選挙で消費税減税を訴えると「無責任だ」などと批判してきた経緯があります。それが一転して自らが消費税減税を公約に掲げたことに対し、党内からも戸惑いの声が上がっているといいます。
高市氏は2月9日の記者会見で「自民党の中でもいろいろ意見が分かれていたが、改めて自民党の選挙公約にも掲げることになった」と説明しましたが、これは党内の意見集約が不十分だったことを示唆しています。
野村総合研究所の木内氏は「自民党が食料品の消費税率を2年間ゼロにする消費税減税を実現させるメリットは大きくないように見える」と指摘し、国民会議での議論を経て方針転換する可能性を示唆しています。
金融市場の反応
衆院選翌日の2月9日、東京市場では国債市場が予想外の安定感を見せました。財政リスクを反映しやすい超長期の30年債、40年債の利回りはともに低下したのです。
木内氏は「自民党が歴史的な勝利を収めたことで、高市政権が国民の強い支持を背景に、消費税減税を含む積極財政姿勢を前進させる、との観測が強まれば、超長の国債利回りは先行きの財政悪化を懸念して大きく上昇するのが自然だ」と指摘しています。
実際にはそうはならなかったのは、衆院選挙後にも高市政権は積極財政政策を加速させない、あるいは修正するとの市場の見方を反映しているといいます。長期・超長期の国債利回りは1月中旬にピークをつけており、財政悪化懸念は山を越えたようにも見えます。
木内氏は「衆院選挙で大勝した後も、高市政権は消費税減税などの積極財政姿勢を強化しない、あるいは修正するとの金融市場の見方には、一定の合理性が感じられる」と結論づけています。
国民は消費税減税を望んでいるのか
そもそも、国民は消費税減税の実施を強く望んでいるのでしょうか。
共同通信が2月に実施した世論調査では、食料品の消費税2年間ゼロに賛成が50%となりました。一方で、木内氏は「国民は消費税減税の実施を強く望んでいない可能性が考えられる」と指摘しています。
高市氏は選挙戦中、消費税減税にほとんど言及しませんでした。それでも自民党が歴史的圧勝を収めたということは、消費税減税が有権者の最大の関心事ではなかったことを示唆しています。
高市氏の人気を前面に出す戦略や、憲法改正、安全保障政策の強化といった「国論を二分する政策」への期待が、自民党圧勝の主因だったと分析されています。消費税減税は、むしろ野党の主張を封じ込めるための争点つぶしだった可能性があります。
高市氏は2月9日の記者会見で「憲法改正に挑戦する」と宣言し、「少しでも早く国民投票が行われる環境をつくっていけるよう粘り強く取り組む覚悟だ」と決意を語りました。消費税減税よりも、憲法改正や安全保障政策の強化こそが、高市政権の最優先課題なのかもしれません。
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