2025-11-13 コメント投稿する ▼
公約商工会議所が空き家管理担う2025年地方分権改革方針案ワンストップ対策へ
内閣府が2025年11月13日に公表した地方分権改革方針案で、空き家の売買相談やマッチング業務を担う「空き家管理活用支援法人」の指定対象を商工会議所にも拡大する方針が明らかになりました。 これまで一般社団法人やNPO法人などに限られていた制度を見直し、不動産業や建設業など幅広い業種の企業が加盟する商工会議所が担うことで、ワンストップの空き家対策が期待されています。
この方針案は12月に閣議決定され、法改正が必要な項目は来年の通常国会に関連法案が提出される予定です。背景には、全国で増加を続ける空き家問題への対応強化があり、民間の力をより効果的に活用するための制度拡充が狙いです。
空き家数は2018年時点で349万戸に達し、2030年には470万戸程度まで増加すると予測されています。特に2025年には団塊の世代が後期高齢者となることで、相続による空き家発生がさらに加速する可能性があり、より包括的な対策が急務となっています。
従来制度の限界と商工会議所参入の意義
現行の空き家管理活用支援法人制度は、2023年12月に改正空家等対策の推進に関する特別措置法で新設されました。市区町村が指定した法人が空き家の管理や活用に関する業務を行い、自治体の補完的役割を果たす仕組みです。
しかし、指定対象が特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人、空き家等の管理・活用を目的とする会社に限られていたため、維持管理や修繕、利活用などを包括的に行える法人が少ないという課題が自治体から指摘されていました。
商工会議所は地域の経済界を代表する総合経済団体として、不動産業、建設業、金融業、サービス業など多様な業種の企業が加盟しています。これらの企業が持つ専門性とネットワークを活用することで、空き家の発見から管理、活用、除却まで一貫したサービス提供が可能になります。
支援法人が担う6つの主要業務
空き家管理活用支援法人は改正法第24条に基づき、以下の6つの業務を行うことができます。空き家所有者等への管理・活用方法に関する情報提供や相談業務、委託による定期的な管理や活用のための改修業務、委託による空き家等の所有者探索業務などです。
また、空き家の管理・活用を促進するための情報収集や提供業務、空き家等に関する調査研究業務、その他空き家等の管理・活用の促進に関する業務も担います。これらの業務により、空き家所有者が抱える様々な悩みに対してワンストップで対応できる体制が整備されます。
商工会議所が参入することで、これまで個別に対応していた不動産仲介、リフォーム、解体、金融相談などの業務を、一つの組織内で連携して提供できるようになります。これは空き家所有者にとって大きなメリットとなるでしょう。
「空き家をどうしたらいいか分からない」
「業者選びで失敗したくない」
「費用がどのくらいかかるか不安」
「信頼できる相談先が欲しい」
「手続きが複雑すぎて困っている」
地域経済活性化への波及効果
商工会議所の空き家対策参入は、単なる制度拡充にとどまらず、地域経済活性化の起爆剤としての役割も期待されています。空き家の有効活用は、新たなビジネス創出や雇用機会の拡大につながる可能性があります。
例えば、空き家をリノベーションしてカフェや工房、シェアオフィスとして活用することで、地域の賑わい創出や若者定住促進効果が見込めます。また、観光地では古民家を宿泊施設として再生することで、観光振興にも寄与できます。
商工会議所は地域の事業者ネットワークを持っているため、空き家活用事業者と地元企業とのマッチング機能も発揮できるでしょう。これにより、地域内での資金循環促進と雇用創出という相乗効果が期待されます。
今後の展開と課題
今回の地方分権改革により、地方自治体の裁量で地域実情に合った空き家対策を展開しやすくなります。商工会議所以外にも商工会などの経済団体への拡大も検討されており、地域の実情に応じた柔軟な制度運用が可能になる見通しです。
一方で、商工会議所が支援法人として適切に機能するためには、空き家問題に関する専門知識の習得や、公的業務としての責任意識の醸成が課題となります。また、営利団体である商工会議所が公的性格を持つ業務を行う際の利益相反防止策も重要です。
内閣府は法改正により、こうした課題に対応する仕組みも整備する方針です。地方分権改革の理念に沿って、地域の自主性と自立性を高めながら、住民サービスの向上につなげることが最終目標となります。
空き家問題は全国共通の課題ですが、その解決策は地域によって異なります。商工会議所の参入により、より地域密着型で実効性のある空き家対策が展開されることが期待されます。
この投稿は高市早苗の公約「全国の空き家を街づくりとあわせて「買取り」「改築」「管理・売却の代行」を一体的に行える制度」に関連する活動情報です。この公約は59点の得点で、公約偏差値59.1、達成率は0%と評価されています。