2025-06-28 コメント投稿する ▼
トランスジェンダー議員に「おっさん」発言 春日井市議の名誉毀損裁判が控訴審へ続行
小嶋さゆり春日井市議「控訴されました!」SNSで裁判継続を報告
愛知県春日井市議の小嶋さゆり氏が、自身のX(旧Twitter)アカウントを通じて、現在係争中の訴訟について「控訴された」と報告した。小嶋氏は投稿で次のように述べている。
控訴されました!
今日、「特別送達」という封筒が送られてきました!
「〜申立人は控訴を提起し〜〜」と、書いてあります。
え? 控訴されたんだ!(◎\_◎;)
という事で、まだまだ続く事になりました、私の裁判‼️
特別送達とは、裁判所が訴訟当事者に対して重要な通知を行うための送付方法で、通常の郵送とは異なり受取が義務付けられている形式だ。この文面から、名古屋地裁での一審判決に対して、相手側が不服を申し立て、高等裁判所に控訴したことが確認できる。
地裁判決で「おっさん発言」に賠償命令
今回の裁判の発端は、2021年に行われた春日井市議会の懇親会の席上で、当時議長を務めていた村上慎二郎市議が小嶋氏に対して行った発言だ。小嶋氏はトランスジェンダー女性であり、性自認を尊重されるべき立場にあったが、村上市議は彼女に対し「おっさん」と呼ぶなど、繰り返し揶揄する言動を取ったとされる。
名古屋地裁は今年6月25日、この発言が社会通念上許される範囲を超えた侮辱であり、小嶋氏に精神的苦痛を与えたと判断し、村上市議に17万円の損害賠償を命じた。裁判所は判決理由の中で、発言が小嶋氏の性自認を否定する意図を持っていたと認定し、「公人である以上、その影響力と責任を強く自覚すべき」との姿勢を示した。
控訴で再び法廷へ 当事者の主張がぶつかり合う高裁審理へ
この判決に対して控訴が提起されたことで、今後は名古屋高等裁判所で改めて審理が行われる見込みとなった。小嶋氏は今回の投稿で、「まだまだ続く事になりました、私の裁判‼️」と述べ、訴訟が長期化する可能性をにじませている。
控訴審では、村上市議側が「発言に侮辱の意図はなかった」「表現の自由の範囲内だ」と主張を強める可能性がある。一方で小嶋氏側は、差別的発言が地方政治における重大な問題であることを訴え続ける構えだ。特に地方自治体では、性的マイノリティに対する無理解が根強く残っているとの指摘もあり、本件は全国的にも注目を集めている。
トランスジェンダー議員への侮辱発言、問われる議会の意識
小嶋さゆり氏は、春日井市議として唯一のトランスジェンダー女性議員であり、差別や偏見と闘うシンボル的な存在でもある。今回の訴訟は、単なる個人間の名誉毀損を超え、性の多様性を認める社会の在り方や、地方議会におけるリスペクトの欠如を問う象徴的なケースとなっている。
当該判決を巡っては、SNS上でもさまざまな反応が見られた。
「一審で決着したと思ったのに、まだ続くなんて…」
「この件で社会の認識が少しでも変われば」
「公人の発言にはそれ相応の責任が伴うべき」
今後の控訴審では、判決内容や賠償額が見直される可能性もあるが、社会的に重要な意義を持つ裁判として、判決の行方は広く注視されている。