2025-07-29 コメント投稿する ▼
民泊を足掛かりに中国人が続々移住 特区民泊とビザ制度の“抜け穴”に専門家が警鐘「日本は世界一ゆるい国」
民泊が移住ビジネスの入り口に 中国人による「制度の穴」活用が加速 大阪で進む“静かな侵食”
大阪市内を中心に、「民泊」を足掛かりにした中国人の移住が静かに、しかし確実に広がっている。背景には「特区民泊」制度と、日本の「経営・管理ビザ」に存在する法制度上の“抜け穴”があるとされ、専門家は「日本は世界一ゆるい国」と警鐘を鳴らす。もはや単なる住宅政策や観光政策の問題ではなく、「移住ビジネス」「制度転用」の構造が、地域社会の根幹を揺るがしている。
民泊経営が移住の“黄金ルート”に
大阪では、観光資源が豊富で地価が東京に比べて安いことから、「国家戦略特区」としての民泊制度=特区民泊が早期に整備された。特区民泊には営業日数の制限がないことから、経済合理性も高い。そこへ目をつけたのが、中国系の不動産業者やデベロッパーたちだ。
彼らは日本人の大家から築古の借家や住宅を次々と買い取り、住民に退去を迫っては、建物を民泊用に改装。一棟丸ごと“民泊マンション”として外国人向けに販売している。実際、大阪市の特区民泊5587件のうち、約41%が中国人もしくは中国系法人によって運営されている。
しかし真の目的は、宿泊事業ではない。民泊経営を口実に「経営・管理ビザ」を取得し、日本への“合法移住”を果たすことにある。
わずか500万円で合法移住? 制度悪用の現実
経営・管理ビザは本来、若手外国人の起業促進や国際ビジネスの誘致が目的だが、現在は「日本への居住許可取得の手段」として広く認識されている。
ビザ取得に必要な資本金は500万円。この条件をクリアするだけで、配偶者や子どもを含め日本に居住でき、数年で永住権への切り替えも可能とされている。
中国のSNS「微博」では、
「中流家庭が日本に移住するための黄金の踏み台」
「日本は世界で最も“ゆるい”国」
「教育・医療目当てに家族全員で来日可能」
といった投稿が溢れ、「民泊付き不動産」がセット販売される事例も増えている。
地元住民の不安と排除される高齢者
こうした動きの影響はすでに地域に及んでいる。中国系業者によって買収された賃貸住宅では、
「所有者が変わったので退去してほしい」
「家賃を倍以上に値上げする」
といった通知が高齢者を中心とする住民に届き、事実上の“追い出し”が横行している。
阪南大学の松村嘉久教授は「これはバブル期の“地上げ”と非常に似ている。しかも今回は法的にグレーゾーンの中で、外国人によって進められている」と指摘。裁判に訴えるにも費用と時間がかかり、多くの住民が泣き寝入りを余儀なくされている。
“観光の顔”に隠れた移住ビジネスの実態
特区民泊は当初、インバウンド観光需要に応えるための宿泊受け皿として導入された。大阪・関西万博に向けた宿泊インフラ整備の一環でもある。しかし今、その制度が観光を隠れ蓑にした“移住インフラ”として再解釈され、海外の投資・移住ビジネスの対象となっている。
松村教授は「民泊を経営することが目的ではなく、移住が目的。そのため、採算性が多少悪くても物件は売れる。しかも、日本人には手が出ない高値で売買されている」と語る。
この結果、
「日本人の若者や高齢者が住めない街」
「外国人だけが買える不動産」
「交わらない外国人コミュニティ」
が形成されつつある。これは、もはや“観光政策”ではなく、“国家としての領域管理”の問題だ。
「外国人ファースト」で良いのか
2024年7月、内閣官房には「外国人との秩序ある共生社会推進室」が設置され、石破茂首相も「一部外国人による制度悪用に対する不安に応える」と発言した。だが、現場では制度の悪用がビジネスモデル化し、既成事実として浸透しつつある。
長年、日本社会に真摯に溶け込もうとしてきた中国系住民の中には、
自分たちも制度の抜け道で来日したと思われかねない
と、強い危機感を抱く声もある。
“世界一ゆるい国”をいつまで続けるのか
現行制度では、500万円で法人設立→ビザ取得→合法移住→永住、という“最短ルート”が完全に合法として認められており、しかも行政による監視もほとんど機能していない。
今後、万博終了後にこの「特区民泊」制度を見直すかどうかが問われている。現状のままでは、日本人の住宅取得機会が奪われ、「観光客と外国人移住者のための都市」が各地に現れる可能性もある。
外国人を排除する必要はない。しかし、
「法やルールを守らない形で来る訪問者や移住者が急増する現状」は、まさしく“観光公害”であり、“移住公害”である。
日本人の生活環境やコミュニティが損なわれてまで、観光や外資を優先するべきなのか――今、真剣な議論と制度改正が求められている。