2025-06-27 コメント投稿する ▼
大阪府教員採用試験で採点ミス 正答誤りで95人が追加合格、受験者に混乱広がる
大阪府教員採用試験で採点ミス
チェス問題で正答設定ミス 追加合格95人、受験生に混乱広がる
「3手30回」が正解だったのに…
大阪府教育庁は6月27日、来年度(令和8年度)採用予定の公立学校教員採用試験の第1次選考において、出題の正答設定に誤りがあったことを明らかにした。誤りがあったのは、チェスのコマを所定のマスへ移動させる最短手数を問う問題で、本来の正解は「3手・30回」だったにもかかわらず、「5手・32回」を正答として採点していた。
このミスにより、当初は不合格となっていた受験者のうち95人が追加合格となった。第1次選考は6月14日に実施されており、13日後の27日になって受験生の指摘により誤りが発覚。教育庁はその日のうちに採点をやり直し、通過者の受験番号を公表したうえで、個別にメールでも通知したという。
「一問で運命が変わるのに、あまりに杜撰すぎる」
「落ちたと思って2次試験の準備止めてた人はどうするの?」
「この人たちが本当に通るべきだった受験生でしょ」
「チェス問題って…センス試しすぎでは?」
「毎年なんかしらあるよね、採用試験って」
教員採用の信頼に傷 過去にもミス繰り返す
大阪府の教員採用試験は、教職を目指す多くの若者にとって人生をかけた試練だ。今回のミスは、正当な評価を受けられなかった受験者の権利を侵害する重大な問題であり、教育庁の採点体制の甘さが露呈した形となった。
大阪府教育庁によると、ミスが発覚したのは受験者または関係者からの「解答に矛盾があるのではないか」との連絡によるもので、第三者チェックではなく外部からの指摘で初めて気づいたという経緯も問題視されている。過去にも選択問題や記述採点で誤りが指摘されたケースがあり、教育行政の根幹に関わる信頼が揺らいでいる。
大阪府の教育行政は、学力向上やいじめ対策などで先進的な取り組みを進める一方で、事務手続きのミスや採用試験の不備が後を絶たない。今回のような採点ミスが続けば、「公平な競争」という原則そのものに疑念が生じ、優秀な人材が教職を敬遠する要因にもなりかねない。
受験生の不利益にどう対応するのか
問題は、誤った採点によって一度は不合格とされた受験者が、その間に2次試験の準備や精神的整理を終えてしまっていた可能性があることだ。合格通知を改めて受け取った95人のうち、何人が動揺なく2次選考に臨めるのか、疑問の声も広がっている。
しかも通知はメールとウェブサイトの掲載のみ。教育庁からの謝罪文や経緯説明は極めて限定的で、誠意ある対応がなされたとは言い難い。
今後は、採点・検証・公表のプロセスすべてにおいて見直しが求められるだろう。教育庁側は「チェック体制を強化する」としているが、受験生や教育現場からは「言葉だけでは済まされない」という厳しい目が注がれている。
教員不足が深刻化する中での不信拡大
全国的に教員不足が深刻化する中、大阪府も例外ではない。教職の過重労働や待遇の低さに加え、採用試験における信頼失墜が重なれば、教職を目指す若者の意欲を削ぎかねない。
本来ならば、未来を担う人材を公正かつ誠実に選抜すべき試験が、今回のような誤りで受験者に混乱と不安を与えたことは、極めて重く受け止められるべきだ。教育の公正性が損なわれるということは、子どもたちを教える教師の正当性にまで影を落としかねない。