2025-04-17 コメント: 1件 ▼
大阪府、外国人患者の受け入れ支援に補助金 医療費未払い対策も府民負担で対応
医療費未収や言葉の壁に対処
外国人が病気やケガをしたとき、スムーズに医療を受けられる体制が整っていなければ、受け入れる側の医療機関にも大きな負担がかかる。特に問題になっているのが、診療後に発生する医療費の未収。帰国してしまうなどの理由で支払いがなされず、病院側が損失を抱えるケースが後を絶たない。
こうした状況を受け、大阪府は、外国人患者を積極的に受け入れている病院や診療所を対象に、2種類の補助金を用意した。
2つの補助金制度の内容
一つ目は「患者受入れ環境整備事業補助金」。医療費の未収対策として保険や保証サービスへの加入、職員研修、キャッシュレス決済の導入などにかかる費用を半額補助する。補助額は最大で20万円。病院のほか、個人の診療所なども対象となる。
もう一つは「医療機関整備事業補助金」。こちらは医療通訳をスムーズに行うための音声翻訳機などの備品購入費用を全額補助する。支給額は上限20万円で、主に医科・歯科の診療所を対象としている。
府民の負担で進める医療受け入れ
今回の補助制度は、訪日外国人が安心して医療を受けられるようにするための施策だが、当然ながらその費用は府の予算から支出される。つまり、府民の税金が使われる形となる。この点については、「府民サービスに使うべきではないか」「医療費を支払わない外国人の分まで府が負担するのは不公平では」といった声も上がっている。
一方で、大阪は関西空港を抱える国際都市であり、インバウンド需要の回復により、今後も外国人患者が増えることは避けられないとの見方もある。医療現場からは、「制度がなければ受け入れたくても難しい。補助金で現場の不安が少しでも和らぐなら意味がある」という評価も聞かれる。
今回の大阪府の対応は、訪日外国人が安心して滞在できる環境づくりの一環だ。観光立国を掲げる日本にとって、こうした取り組みは今後さらに全国に広がる可能性もある。一方で、限られた医療資源をどう分配するかという議論は避けて通れない。府民に対して丁寧な説明と理解を得る努力も求められるだろう。