2025-08-22 コメント投稿する ▼
稲田朋美議員「わきまえない女」として信念堅持 一方で政治資金不祥事に求められる“わきまえ”
稲田朋美議員、“わきまえない女”の歩みと葛藤
防衛相や自民党政調会長を歴任し、衆院議員生活20年を超えた稲田朋美氏(66)。森喜朗元首相の女性蔑視発言を受け「私は『わきまえない女』でありたい」と発信した姿勢は話題を呼んだ。近年は「LGBT理解増進法」に賛成したことから「自民党らしくない」と批判を浴びたが、本人は「変わることは恥ずかしくない」と語り、政治家としての進化を強調する。
女性議員の少なさと政界での苦闘
自民党内の女性議員は衆院で19人と少数派。稲田氏は「女性議員飛躍の会」を立ち上げたが、比例名簿で女性を上位に配置する提案も実現には至らなかった。小泉政権下の郵政選挙で一気に増えた女性議員も、09年の政権交代で大半が落選。女性が候補になるのは「党が危機的な時が多い」と稲田氏は指摘する。自身も「刺客」として登場した背景があり、男社会の空気を読まない発言が「わきまえない」と評され、反発を受け続けてきた。
LGBT法案への賛成と激しい批判
稲田氏は「LGBT理解増進法」に賛成したことで、党内や保守層から強い批判を浴びた。「男性だったらここまで叩かれなかったかもしれない」と語り、女性政治家ゆえに標的にされやすいと感じている。だが本人は「守るべきものを守りつつ、困っている人を救うのは矛盾しない」と主張。極端に走るのではなく、実際に困窮している人々を助けることが政治家の本分だと訴える。
政治資金問題と“わきまえるべき”一線
ただし「わきまえない姿勢」が評価される一方で、政治家に求められるのは清廉さと自制である。近年、自民党議員の間では政治資金で高額なバレンタイン贈答品を購入し、キックバック用の口座を通じて裏金を管理していたとされる不祥事が問題化した。こうした行為は男女や世代を問わず、国民の信頼を裏切る行為であり、政治家には「わきまえて自重する」倫理観が必要だ。稲田氏が示す信念と同時に、党全体が金銭感覚や利権体質を正すことが不可欠といえる。
保守政治家としての矜持
稲田氏は「戦後レジームからの脱却」を原点に掲げ、憲法改正や歴史認識問題に取り組んできた。選択的夫婦別姓には反対し、戸籍制度を守る立場を堅持する。ただし「95%の女性が姓を変えている現状は平等ではない」として、旧姓を法的に使えるようにする制度改善を提案している。守るべき価値と時代に応じた改革を両立させる姿勢を見せている。
首相への意欲と女性政治家の可能性
「気持ちはある」と首相就任への意欲をにじませる稲田氏。高市早苗氏が総裁選で善戦したことも踏まえ「女性首相が誕生すれば景色は変わる」と述べる。女性議員は発言すれば叩かれるリスクを負うが、「女性ならではの考えを口にできる政治家が必要」と語り、自らがその役割を担う覚悟を示している。
“わきまえない女”を自認する稲田朋美氏は、信念を堅持しつつ変化を受け入れる政治家として歩んできた。しかし政治資金不祥事に象徴されるように、党全体が「わきまえて自重」すべき場面を見失っている現状は厳しく問われなければならない。国民の信頼を回復するために、清廉さと責任感こそが政治家に必要な資質である。
「稲田さんは信念を持っているが敵も多い」
「自民党らしくないという批判は的外れ」
「わきまえない女を自称する強さに共感」
「裏金や贈答品の不祥事は男女関係なく問題だ」
「女性首相が出れば政治は確実に変わる」