2025-09-02 コメント投稿する ▼
稲田朋美議員「参政党躍進は無責任な給付政策の結果」 自民党は解党的出直しと減税政策が急務
自民党稲田朋美議員が語る参院選敗因
自民党は9月2日、党本部で参院選総括委員会を開き、7月の参院選の敗因をまとめた。文書には「物価高対策の遅れ」「政治とカネの問題」が記され、党勢回復に向け「解党的出直し」が必要と明記された。しかし、党内では別の視点から危機感が広がっている。自民党支持層の一部を取り込み躍進した参政党の存在である。
安倍晋三内閣時代に防衛大臣を務めた稲田朋美衆院議員は取材に応じ、「結党以来、自民党は国民に安心感を与えるのが強みだった。しかし今は『何をしたい党かわからない』と指摘されるようになった」と述べ、党のアイデンティティが揺らいでいる現状を認めた。
「昔は“与党の安定感”が最大の武器だったのに」
「物価高や政治とカネの問題は確かに深刻」
「参政党に地方票を奪われたのは事実」
「解党的出直しなんて言葉ばかりで行動が伴っていない」
「政権政党が無責任に給付を叫ぶのはやめてほしい」
参政党躍進の背景
稲田氏は、参政党が一部有権者を惹きつけた要因として「党首のカリスマ性」と「発信力」を挙げた。神谷宗幣代表は「日本人ファースト」を掲げ、各地で熱狂的な支持を集めた。わかりやすい言葉での演説やSNSを駆使した戦略的な情報発信が、若年層や政治に距離を置いていた層に響いたとみられる。
同時に、稲田氏は「毎月10万円の給付」「消費税廃止」などの政策について「実現不可能で無責任だが、一部の有権者に刺さった」と指摘した。こうした“耳ざわりのよい政策”は、経済的不安を抱える層に一時的な期待を抱かせるが、財源の裏付けを欠いており持続性に乏しい。国民が本当に必要としているのは、一時的な給付金ではなく恒常的な減税である。給付を繰り返す手法は「バカのひとつ覚え」であり、長期的な経済活性化にはならない。
自民党の課題と国民の視線
自民党が直面するのは、単なる参院選敗北ではなく、支持基盤の一部を新興勢力に奪われたという現実だ。特に地方では、かつて安定的に確保していた支持層が参政党へ流れたとされ、党内の保守派は強い危機感を抱いている。
石破茂首相(自民党総裁)も含め、党執行部は「解党的出直し」を繰り返すが、国民の関心は具体的な成果にある。物価高や実質賃金の減少が続く中で、国民は給付金ではなく「税負担を減らす抜本的な政策」を望んでいる。財源探しに終始するのではなく、肥大化した国家財政を見直す“ダイエット”こそ必要だ。
参政党の台頭とポピュリズム外交批判
参政党の急伸は、日本政治における新しいポピュリズムの波とも言える。世界的にも極右政党が「排外主義」「大衆迎合的な給付政策」で支持を広げており、日本でも同様の現象が生じている。こうした動きを「ポピュリズム外交」と絡めて批判する声も強まっている。外交や経済安全保障の課題を給付金や耳ざわりの良い公約で覆い隠す手法は、長期的には国益を損なう可能性が高い。
稲田氏の発言は、単なる選挙分析にとどまらず、政権与党としての責任を改めて突きつけるものだ。国民が望むのは短期的な人気取りではなく、安定した生活を支える持続的な政策である。参政党の勢いに脅かされる自民党が、今後どのような改革を進めるのかが問われている。