2025-09-05 コメント投稿する ▼
与那国町長が日米共同訓練受け入れ 縮小決定に「ほっとしている」
与那国町長、日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」受け入れを表明
沖縄県与那国町で今月11日から実施予定の日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」をめぐり、同町の上地常夫町長は5日、沖縄防衛局の担当者と町役場で面談し、訓練を受け入れる方針を伝えた。当初の計画より訓練規模が縮小されたことを受けての判断であり、町長は「ほっとしている」と述べた。
上地町長は訓練に対する住民の不安を考慮しつつも、安全性や規模縮小などを総合的に勘案したと説明。記者団に対しては「町民の生活に支障が出ないよう配慮されることを期待している」と語った。今回の受け入れは、日米同盟の強化と地域防衛体制の一環と位置付けられている。
「規模縮小は当然だが、それでも不安は消えない」
「住民の声をどこまで反映しているのか疑問」
「与那国の地理的な重要性を考えれば仕方ない部分もある」
「本当に抑止力になるのかは分からない」
「町長が『ほっとしている』というのは率直で好感が持てる」
訓練縮小の背景と防衛上の意義
レゾリュート・ドラゴンは、陸上自衛隊と米海兵隊が連携して島嶼防衛や輸送・補給などを確認する大規模演習として知られる。今回は当初より規模が縮小されたが、それでも沖縄本島や与那国島を含む複数地域で実施される予定だ。台湾有事を想定したシナリオが組み込まれているとの見方もあり、地域防衛の実効性強化が狙いとされる。
訓練縮小の背景には、住民の生活や観光産業への影響を考慮した調整があるとみられる。与那国は日本最西端の島で、台湾までわずか111キロ。地政学的な要衝であることから、防衛・外交双方の観点で注目を集めてきた。
地域住民の不安と受け入れの葛藤
訓練受け入れにあたっては、住民の間で賛否が分かれている。安全保障上の必要性を理解する声がある一方で、生活や観光への影響を懸念する声も根強い。特に与那国は人口約1700人と小規模な自治体であり、自衛隊配備や訓練の影響は生活に直結する。
町長が「ほっとしている」と述べたことは、訓練規模が縮小されたことで住民生活への影響が一定程度軽減されるとの見通しを示すものだ。ただ、住民の不安が完全に払拭されたわけではなく、今後も丁寧な説明と透明性が求められる。
日米同盟と地域の未来
日米共同訓練の受け入れは、同盟強化の象徴であると同時に、地域の安全保障負担をどう分担するかという課題を浮き彫りにした。中国の軍事的圧力が強まる中、日本の南西諸島防衛は喫緊の課題とされるが、それを実際に担う住民の理解が欠かせない。
与那国町が今回受け入れを決めたことで、日米間の連携は一層強化される見通しだ。しかし同時に、住民の生活や心理的負担とのバランスをどう取るかが、今後の南西諸島防衛政策全体の成否を左右することになる。
与那国町長が示した現実的判断と日米共同訓練の影響
今回の与那国町による受け入れ決定は、地政学的現実と住民感情の狭間で下された判断といえる。日米共同訓練は抑止力強化に資する一方、地域住民にとって負担や不安を伴う。町長の「ほっとしている」という言葉は、その葛藤を象徴するものであり、今後の日本の防衛政策における「地域との共生」の必要性を改めて示している。