2025-06-11 コメント: 1件 ▼
夫婦別姓法案に不備指摘 保守党・島田氏が再提出要求「選んだら戻せぬ制度でよいのか」
夫婦別姓法案に“重大な不備”と指摘 保守党・島田洋一氏が国民民主・円氏を追及
衆院法務委員会で6月11日、選択的夫婦別姓制度をめぐる議論が白熱した。焦点となったのは、立憲民主党と国民民主党がそれぞれ提出した法案の中に盛り込まれた「経過措置」の解釈をめぐる答弁の不一致だ。これに対して、日本保守党の島田洋一衆院議員が「法案の不備を認めた」として、再提出を迫った。
議論の中で、国民民主党の円より子氏が法案と異なる趣旨の答弁をしたことで、法案そのものの整合性や制度の安定性に疑義が生じた。このやり取りは、単なる技術的な修正の範疇を超え、「制度としての信頼性」を根本から揺るがしかねない問題を浮き彫りにしている。
“同姓を選んだら最後”なのか 島田氏が提起した「制度の硬直性」
問題となったのは、立民・国民両案に共通する「経過措置」だ。法施行前に同姓で結婚した夫婦が、法施行から1年以内であれば旧姓に戻すことができるという規定があるが、施行後に結婚した場合にこの権利を行使できるかについて、両党とも「できない」と明言した。
これに対して島田氏は、
結婚時には相手に気を遣い、同姓で妥協する人もいる。だが、時間が経って自分の名前への思いが強くなり、旧姓に戻したくなる場合もあるはず。そうした人たちを制度から排除してよいのか
と疑問を呈し、制度設計そのものの柔軟性と人間の心情に対する想像力の欠如を指摘した。
実際、円氏が「ちょっと、変えられるように努力する」と述べたことについて、島田氏は「それは法案に不備があると認めたことになる」と一歩も引かず、再提出を求めた。円氏が最終的に「申し訳ない。法の安定性から変えられない」と答弁したことは、制度の根本的な論理矛盾が浮き彫りになった瞬間だった。
選択的夫婦別姓制度の問題点は“選択肢”の名を借りた固定化
今回の委員会質疑は、選択的夫婦別姓制度が「多様性を認める柔軟な制度」という建前とは裏腹に、実際には一度選んだら戻せない“制度的拘束”を内包していることを露呈させた。
島田氏が提起したように、結婚生活の中で心境の変化があることは自然なことであり、制度もそれに応じる柔軟性を持つべきだという視点は説得力がある。だが、法案提出者の説明が曖昧で、矛盾を含んだまま国会審議に臨んでいる姿勢には批判の声も強い。
SNS上でもさまざまな反応があがっている。
「結婚後に考えが変わることだってあるでしょ。戻せないって不親切すぎる」
「“選択的”っていうなら、途中で変更する選択肢も認めるべき」
「円氏の答弁はあまりに無責任。法案内容と答弁が食い違ってる」
「家族制度をどうするかの話なんだから、そんなに軽々しく変えられないよ」
「制度が不備を抱えてるなら、ちゃんと出し直すのが筋だと思う」
「制度としての信頼性」が問われるべき立法姿勢
夫婦別姓をめぐる議論は、社会の価値観の多様化を背景に支持を集めつつある一方で、制度設計や立法の詰めの甘さが露呈するたびに、根本的な信頼を損なっている。
今回のやりとりは、法案そのものに重大な論理的ほころびがあることを浮き彫りにした。「選択的」であるはずの制度が、「選んだら最後」になるという設計は、むしろ自由を狭める結果となりかねない。
また、婚姻制度の変更は個人の問題だけでなく、戸籍制度や家族法全体に影響を及ぼすため、拙速な制度導入は慎むべきである。制度を作る以上、法的安定性と柔軟性をどのように両立させるかが問われるべきであり、単に「現状に不満がある人のために変えればよい」という発想では、社会全体の秩序を揺るがしかねない。
今後の法案審議において、今回のような矛盾や不備をどう修正していくかが、政治の真価を問うことになるだろう。