2025-04-17 コメント: 1件 ▼
NHKクルド人特集に国会が苦言 「地元の不安に触れず」再放送は延期に
この日、NHKの山名啓雄専務理事は、問題となったEテレの番組「フェイクとリアル~川口 クルド人 真相~」について、「SNS上の投稿を時系列で分析し、投稿が増えた背景に何があったのかを検証する目的で制作した」と説明した。
しかし、質疑に立った「NHKから国民を守る党」(通称N国)の浜田聡議員は厳しい口調で批判した。「番組はクルド人を一方的に『被害者』として描いており、地元住民が感じている治安や生活への不安がほとんど触れられていない」と指摘。また、「トルコ現地の調査は行われず、証言者の主張がそのまま放送されていた」として、報道姿勢の甘さを問題視した。
NHKは9日に予定されていた再放送を延期し、見逃し配信も取りやめた。16日の記者会見では、番組内容を一部修正のうえ、再放送する方向で調整していることを明らかにしている。
浜田氏は、番組制作者について「クルド人問題に対してあまりにも不勉強。報道機関としての責任を果たしているとは言いがたい」と厳しく批判し、番組全体の見直しを求めた。
これに対し山名専務理事は、「視聴者からの意見を重く受け止めている。今後は多角的な視点から、議論が分かれるテーマについてもしっかりと向き合っていきたい」と述べた。
川口市とクルド人、長年の摩擦
川口市ではトルコから来日したクルド人の定住が進み、一部地域では密集して居住するようになっている。しかし、文化や生活習慣の違いから地元住民との間で摩擦が生じており、騒音や交通マナーをめぐるトラブルも報告されている。
2023年9月には川口市の奥ノ木信夫市長が法務省を訪れ、違法行為を繰り返す外国人に対して厳正な対処を求める要望書を提出。市議会でも複数の議員が「共生に向けた努力を続けてきたが、現状は悪化している」と訴えている。
政府も制度見直しへ
クルド人による難民申請が増加する中、政府も対応を強化している。日本版の電子渡航認証制度(JESTA)の導入を検討するとともに、トルコ国籍保有者へのビザ免除見直しや、難民認定手続きの迅速化、不法滞在者の退去措置の厳格化など、制度面での見直しを進めている。
公平な報道のあり方が問われる
今回の問題は、外国人との共生という重い課題に加え、公共放送の「中立性」や「信頼性」が問われる機会にもなった。NHKの対応次第では、視聴者の信頼回復につながる一方で、さらなる批判を招く恐れもある。
国民の関心が高まるなか、今後の報道姿勢と政治の対応が注視される。