2025-04-11 コメント投稿する ▼
河野太郎氏が語る「ポスト・トランプ時代」 日米偏重からの脱却と社会保障の抜本改革
日米だけに頼れない時代、NATOのアジア展開を
「アメリカの政権が誰であれ、今後もアジアへの関与が後退する可能性はある」。河野氏はそう警鐘を鳴らす。オバマ政権下での南シナ海問題への消極姿勢や、トランプ政権の米第一主義を例に挙げ、日本が“日米同盟の一本足打法”から抜け出すべきだと訴えた。
代替案として河野氏が提案するのが「NATOのインド太平洋地域への拡張」だ。価値観を共有する日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどが連携する「集団的安全保障の枠組み」が、いま求められていると話す。
財政崖っぷち、社会保障も限界
社会保障制度の見直しについては「このままでは財政は坂を転げ落ちるどころか、崖から真っ逆さまに落ちる」と表現。年金については、現役世代が高齢者を支える「仕送り方式(賦課方式)」がすでに制度疲労を起こしており、「積み立て方式」に切り替えるべきだと強調した。
その際に避けて通れない“二重負担”問題については、超長期の国債発行によって時間をかけて解消し、「世代間の公平」を図るべきだと提案。さらに、最低限の年金(1階部分)を税で支える「最低保障年金」として設計し直し、社会のセーフティネットを再構築する必要性を訴えた。
医療・介護にも「資産割り」導入を
医療・介護制度についても、資産を持つ高齢者がより多く負担する「資産割り」の導入を提唱。「今の仕組みは現役世代の保険料だけに頼りすぎている。これでは若い人が潰れてしまう」と危機感を示した。
また、介護や医療の支出を減らすことで保険料を引き下げられる“インセンティブ設計”の導入にも言及。健康づくりや予防接種を推進することで、医療費削減と生活の質の向上を両立させたい考えだ。
教育と人口問題、地方の再生に直結
国内の人口減少と東京一極集中にも強い問題意識を持つ河野氏は、大学の整理統合と専門高校の充実が必要だと訴える。「高卒でもしっかりと収入を得られるスキルを教育段階で身に付けるべきだ」とし、高等教育の地域分散化も提案した。
さらに、22歳のスキルだけで一生働ける時代ではないとし、「社会人が学び直ししやすい仕組み」も整えるべきだと語った。
自民党の「保守」とは何か
最後に自民党のあり方についても河野氏は一石を投じた。「本来の保守とは、もっと寛容であるべき。極端な排外主義とは一線を画すべきだ」と強調。政策の中身や言葉の選び方ひとつにも、自民党が国民に対して明確なビジョンを示し直す必要があると語った。