2025-08-15 コメント投稿する ▼
奈良市・仲川市長に資産報告書の記載漏れ発覚 後援会からの借入金を未記載
奈良市長の資産報告書に記載漏れ発覚
奈良市の仲川げん市長が、自身の資産報告書に重大な記載漏れがあったことを公表し、市民や関係者に謝罪しました。発表によると、令和6年と令和7年に提出した報告書に、後援会からの借入金を記載していなかったというのです。市の条例では、市長は毎年、自らの資産状況を正確に報告し、市民に公開することが義務づけられています。それにもかかわらず、資産の一部が報告されなかった事実は、政治家としての説明責任や信頼性に直結する問題です。
仲川市長は「制度の理解が不十分だった」と釈明しましたが、誤認によって見落とされた額は決して小さくありません。おととしの借入金は1600万円余り、昨年も1400万円余りと、いずれも多額に上ります。金融機関からの借入金のみを対象とするものと勘違いしていたとの説明ですが、法令や制度の解釈を誤ったことは、市政を担う立場として軽視できない問題だといえるでしょう。
「市長ともあろう人が制度を理解していなかったは通用しない」
「修正すれば済む話ではない。市民を欺いたのと同じだ」
「なぜこれまで誰も指摘しなかったのか不思議」
「政治家の資産公開制度の存在意義を考え直すべき」
「誤解でした、では済まされない金額」
資産公開制度の意義と課題
地方自治体における資産公開制度は、政治家の透明性を確保し、市民の信頼を守るための仕組みです。とくに市長のように行政のトップを務める人物は、自身の金銭的関係を正しく開示することで、公平性や公正性を担保しなければなりません。資産報告書には、土地や建物、預貯金、借入金などが対象となり、誤りがあれば市民に誤解を与え、疑念を招くことになります。
今回の事例は、制度の理解不足という単純な説明にとどまらず、そもそも資産公開制度がどの程度実効性を持っているのか、制度を所管する自治体側のチェック体制が十分なのか、という根本的な疑問を投げかけています。仲川市長が「制度を十分理解していなかった」と語る一方で、事前に市の担当部署や法務の専門家に確認する機会はあったはずです。こうした確認作業が欠落していたのではないかとの指摘も出ています。
説明責任と市民の信頼
仲川市長は記者団の取材に対し、「制度の理解が不十分で大変申し訳ない」と謝罪しました。しかし、謝罪のみで市民の疑念を払拭できるかは不透明です。市民の間では「政治家の資産公開制度が形骸化しているのではないか」という声も強まっています。市長にとっては今後、ただ修正報告書を提出するだけでなく、なぜこうした誤りが生じたのか、具体的な経緯を丁寧に説明することが求められます。
また、政治資金や後援会との関係が透明に示されなければ、市民は政治的判断に疑念を持ち続けるでしょう。多額の借入金が後援会から提供されているという事実は、政治活動の独立性や公平性にも関わります。資金の流れが不透明であると、政策判断に特定の影響力が及んでいないかという疑念が必ず浮上します。したがって、資産報告制度を単なる形式的な提出義務とするのではなく、市民に対する説明責任を果たすための重要な制度として再認識する必要があります。
再発防止と透明性向上へ
今回の件を受けて、奈良市に限らず全国の自治体でも資産報告制度の在り方が問われるでしょう。市長や議員ら政治家に対しては、より厳格な説明責任が求められる一方、自治体側にもチェック体制の強化が必要です。単に提出された書類を受理・公開するだけではなく、記載内容に不備や不自然さがないかを点検する仕組みを整えることが、制度の信頼性を高める鍵となります。
仲川市長にとっては、今回の記載漏れを軽視することなく、透明性の確保と信頼回復に努めることが今後の政治生命を左右することになるでしょう。市民からの厳しい視線はしばらく続くとみられ、説明責任を果たす姿勢が今後の奈良市政における信頼の礎となるかどうかが問われています。