2025-08-03 コメント投稿する ▼
萩生田氏秘書が立件へ 裏金再燃で「石破降ろし」に打撃、自民党の信頼回復は困難に
萩生田氏秘書が立件へ 再燃する裏金問題と揺らぐ「石破降ろし」
旧安倍派の中核を担ってきた自民党の萩生田光一氏。その政策秘書が政治資金規正法違反容疑で立件される見通しとなった。裏金事件の再燃は、政権に対する信頼をさらに揺るがしかねず、参院選で惨敗した自民党内の亀裂を一層深める可能性がある。
特に、「石破降ろし」を主導してきた旧安倍派に所属する萩生田氏への打撃は大きい。石破茂首相に対する退陣圧力が一部で強まる中、この立件が党内の空気を変えるきっかけになる可能性が高まっている。
続投批判の裏で秘書立件 「どの口で言うのか」広がる疑念
参院選の開票中に石破首相が続投を表明したことに対し、萩生田氏は7月25日のメルマガで「驚くことに開票の途中で続投を宣言した」と批判。その上で、「出処進退は自分で決める。自民党の伝統は首相も共有していると信じている」と牽制した。
しかし、そのわずか1週間後、萩生田氏の政策秘書が立件されるという報道が出たことで、「批判できる立場なのか」という疑問が党内外に広がった。政治資金収支報告書に記載しなかった金額は、2728万円と旧派閥内でも突出しており、同氏の過去の政治とカネの問題も再び注目を集めている。
市民からは以下のような声が上がっている。
「裏金問題の当事者が“首相辞めろ”って、どの口が言うんだろう」
「まず自分の説明責任を果たしてから言ってほしい」
「こういう人が政権の方向性を決めるのが信じられない」
「国民はもう裏金政治にうんざりしてる」
「“石破降ろし”より“派閥一掃”が先では」
政治家の倫理が問われている中で、自らの足元が揺らいでいる者による政局主導には、厳しい目が注がれている。
石破首相への圧力にブレーキ? 党内での空気変化も
石破首相と旧安倍派の関係はもともと冷え切っており、首相続投に対しては旧派閥系の議員を中心に反発が強いとされてきた。とりわけ萩生田氏は、東京都議選・参院選で自民候補の応援に奔走し、自らの復権を図っていた。
だが、今回の秘書立件は、その戦略に冷や水を浴びせる形となった。立件は本人の刑事責任とは直結しないとはいえ、派閥の求心力が問われることは避けられない。かつて党の中枢にいた人物の秘書が、巨額の不記載を問われるという事実自体が、党全体の信頼を損なっている。
石破降ろしの機運を利用して、派閥の影響力を再構築しようとした動きが、むしろ逆風を招くことになった格好だ。現時点では萩生田氏本人が辞任や離党などに言及した事実はないが、今後の世論や党内力学によっては、進退を問われる事態に発展する可能性もある。
問われるのは「政治の清潔さ」 石破政権の正念場
参院選で大敗した自民党にとって、最大の課題は「国民の信頼をどう取り戻すか」にある。石破首相が続投を表明した背景には、「政権を放り出せば混乱がさらに深まる」という危機感もあっただろう。
その一方で、裏金問題に揺れる旧派閥が政局の主導権を握ろうとする姿は、国民からすれば「何も反省していない」と映る。ましてやその中心人物の秘書が立件されるという事態に、国民の怒りが再び燃え上がるのは避けられない。
さらに言えば、裏金に寛容な政治文化そのものを変えない限り、いくら顔を挿げ替えても信頼は回復しない。「自浄能力があるか」が今の自民党に問われている。
そしてこの問題は、「石破首相の進退」ではなく、「政治の清潔さと信頼性」という、もっと根本的な問題を突きつけている。