2025-06-09 コメント: 1件 ▼
自民・萩生田光一氏が石破政権に苦言 現金給付に「がっかり」食料品減税を提案
「首相は“総理大臣”をやりたいだけ」萩生田氏が不満表明
自民党の萩生田光一元政調会長が、6月9日発売の「週刊現代」で石破茂首相に対して異例の不満をぶつけた。武田良太元総務相との対談形式で掲載されたこの発言は、与党内からの異論として注目されている。
萩生田氏は、石破政権について「今の政権には目標がないのではないか」とした上で、「首相は“総理大臣”という肩書をやりたいだけに見える」と述べ、国家運営への本気度を疑問視した。また、「トランプ米大統領みたいに一発、政策を打ち出さないと」と強調。国民にインパクトを与える施策が乏しい現政権へのいら立ちをにじませた。
一国の首相に対し、同じ自民党内の実力者がここまで踏み込んだ批判をするのは異例であり、党内での石破政権への支持の分裂を露呈する形となっている。
現金給付ではなく「期限付き食料品減税」を提案
物価高対策をめぐる政策論でも、萩生田氏は現政権に対して異論を展開。特に注目されたのは「3年間とか期限を決めて、食料品を減税するのはいいアイデアだ」という提案だ。
この案は、消費者の負担を直接和らげる減税策であり、一時的なバラマキにとどまる現金給付とは一線を画す。「現金給付なんてやったらがっかりだ」と断言し、政府の支援策が消費者の生活実態と乖離していると強く批判した。
萩生田氏の主張は、単なる反対ではなく「具体策の提示」による建設的な問題提起でもある。特に食品や日用品の値上がりが止まらない今、減税による可処分所得の向上を訴える声は国民の中でも増えており、こうした案は一部有権者からの共感を得ている。
「ねぎらいの言葉もなし」首相との距離感を示唆
また、4月に終えた自身への党処分についても言及。武田氏から「首相から声かけはあったか」と問われると、「特別ない」と苦笑いを交えながら回答。「別に腹も立たないが、『お疲れさんでした』くらいはあってもいい」と述べ、政権中枢との距離感を暗に示した。
さらに、首相が自民党の衆議院1期生に商品券を配っていた件にも触れ、「一方で、新人議員には商品券を配っていたわけだ」と皮肉を込めた発言を展開。身内への配慮が感じられない政権運営に対して、静かなる不満がにじみ出た格好だ。
党内からも「現金給付より減税」の声が浮上
石破政権はこれまで、経済対策として複数回にわたる現金給付を実施してきたが、その効果には疑問の声も多い。使途が限定されず、貯蓄に回るケースも多いため、景気浮揚にはつながりにくいとの指摘が根強い。
それに対し、萩生田氏のように「特定分野での期限付き減税」を唱える声は、「効率的かつ実感できる政策」として再評価されつつある。特に食料品や日用品といった生活必需品は、誰もが恩恵を受けるため、広い層に訴求力を持つ。
一方、現政権は「バウチャー」や「ポイント還元」などを提案しているが、制度が複雑化する恐れがあり、実施のたびに批判を浴びている。萩生田氏のように「減税こそがもっともシンプルで公平な政策だ」との主張は、政権の政策選択に一石を投じている。
ネット上では評価と期待が交錯
今回の対談記事を受け、SNS上では萩生田氏への賛否が交錯している。
「与党の中から減税を主張する人が出てきたのは評価したい」
「正論。減税こそが今一番求められてる政策」
「結局、現政権はパフォーマンスしかしてない」
「石破さん、やっぱり“やってる感”だけだよな」
「萩生田も以前は補助金推してたじゃん。都合よすぎる」
一部には過去の萩生田氏の言動との整合性を問う声もあるが、「政策論争が党内で始まったことは前向き」と見る向きも多い。特に「減税か、給付か」の議論は、次期選挙に向けて各党がどう政策を磨き上げるかの焦点となる。
党内の静かな火種 石破政権は内部批判にどう応じるか
政権を取り巻く経済状況は依然として厳しく、物価上昇や円安、実質賃金の低下など、国民生活への影響は深刻だ。そうした中で、与党内からの政策提言や異論は、政権の方向性を正すためにも必要な健全なプロセスだ。
萩生田氏の発言が単なる「政局的な揺さぶり」に終わるのか、それとも「政策論争の口火」となるのか――石破政権が今後どのように対応するのかが問われている。