2025-07-02 コメント投稿する ▼
新サイバー犯罪条約と表現の自由:山田太郎議員が守った「創作規制」の最前線と留保規定の意味
山田太郎議員が語る新サイバー犯罪条約:創作表現の自由を守る10の攻防
国際社会が動いた背景
2019年、ロシアと中国などが主導する形で、新たなサイバー犯罪に関する国際条約の策定が国連で動き出した。既存の「ブダペスト条約」に対し、より広範囲な犯罪類型を盛り込もうという動きだが、その中には、創作物や架空表現の取り締まりにつながる内容も含まれていた。
この条約に対して、日本を含む欧米諸国は当初から慎重だった。にもかかわらず、国連総会で条約の検討が決定され、日本も無視できない状況へと追い込まれていく。
「留保規定」なき初期案に危機感
新サイバー条約は、日本は入る必要のないものでした
このように山田議員が語るように、日本にとって不利な構成となっていた初期案には、「留保規定」がなく、各国が自らの文化や法律に合わせて一部規定を適用除外することができなかった。これは、表現の自由に直結する条文がそのまま義務化されかねない危険性を意味していた。
山田太郎と外務省の“二人三脚”
2022年の最初の委員会を前に、山田議員は外務省と何度も調整。マンガやアニメ、ゲームといった創作表現が規制されることのないよう、「サイバー犯罪に直接関係のない表現を条約で縛ってはならない」と強く主張した。
そもそもサイバーを本質的要素としない表現規制は犯罪化の対象から外す
という明確なメッセージは、日本の立場を形作る基盤となった。
条文に“留保規定”が盛り込まれるまで
議論の中で、他国は留保規定を削除すべきだと次々に主張した。特に中国は、マンガやアニメの一部表現を「犯罪」と位置づける提案を押し出した。一時は、日本以外に留保規定を維持しようとする国が存在しないという孤立状態に。しかし、山田議員は岸田首相を巻き込み、国会で明確な姿勢を引き出す。
表現の自由、これは憲法上保障される重要な権利。これが不当に制限されるようなことがあってはならない
首相からのこの発言が、交渉を担う外務省への力強い後押しとなった。
国際社会での“外交戦”
交渉が佳境に差し掛かった2024年8月、山田議員はアメリカの表現の自由保護団体・電子フロンティア財団(EFF)を訪問。EFFからは「米政府はこの問題に消極的。日本に託したい」との言葉が寄せられた。
その足で山田議員はニューヨーク国連本部に向かい、条約起草の中心人物たちに直接要望。「通信の秘密」「文化の多様性」「創作表現の自由」などを明確に守るよう求め、結果として、条文に留保規定が残されることに成功する。
ギリギリで守り抜かれた“創作の自由”
2024年12月、国連総会で条約草案が採択されました
条文の本体では、マンガや文章、音声なども犯罪の対象になり得る内容が含まれていたが、留保規定によって、それらを除外できる余地が明記された。これにより、日本が自国文化を守りながら条約に参加する道が確保された。
国内の“締結手続き”が新たな戦場に
条約は採択されたが、まだ日本国内では批准されていない。今後の臨時国会や通常国会で、政府がこの条約をどう扱うかが問われる。特に「留保規定を使わずに締結すべき」と主張するロビー団体や一部議員が影響力を強めている。
山田議員は警鐘を鳴らす。
新サイバー犯罪条約の締結手続をきっかけに、日本から創作表現の自由が失われることになります
今後の注目ポイント
* 留保規定を適用するか否かで、自民党内でも意見が分かれる可能性がある
* 野党の一部は、「条約そのものを再考すべき」とする立場
* 表現者・クリエイター団体も、条約内容の啓発活動を活発化させている
サイバー犯罪への国際対応強化を掲げる一方で、創作文化が巻き添えになるリスクを抱える新サイバー犯罪条約。山田太郎議員が訴えるように、国際的な枠組みと国内の自由をどう両立させるか、2025年の日本の政治にとって大きな分岐点となる。留保規定を守り抜いたことは確かに一つの成果だが、その使い方次第で、日本の表現環境が左右されることになる。
今こそ、国会審議と世論の注目が必要とされている。