2025-06-28 コメント: 1件 ▼
ヤギと草刈り機、除草に効果があるのは?交野市が天野川緑地で実証実験 10月まで継続中
ヤギvs草刈り機
交野市で除草効果を検証する実証実験 費用・環境・地域交流に注目
除草の新たな主役はヤギ?
大阪府交野市では現在、天野川緑地においてヤギを活用した除草の実証実験が行われている。これまで市職員や委託業者が人手と機械で行っていた草刈り作業を、動物の力で代替できないかを探るもので、実験は2024年10月下旬まで続く予定だ。
除草を担当するのは、雄の「春蔵(しゅんぞう)」とその娘「チカ」という2頭のヤギ。除草対象エリアである天野川沿いの緑地を数週間単位で移動しながら、伸びた草を食べていく仕組みだ。
草刈り機による作業と違い、ヤギには刈り取った草を処分する手間が不要で、燃料も使わず静かに作業が進むのが大きな特長。また、糞はそのまま肥料として再利用できるため、環境負荷の低減にもつながるとして、「エコでコストも安い」との期待が高まっている。
「燃料代もいらんし、静かでエコって最高やん」
「子どもと触れ合えるって、それだけで価値ある」
「うちの自治体にもヤギ来てほしい」
「草刈り機より、断然ほのぼのする」
「行政がこういうユニークな実験するの応援したい」
費用と手間の削減なるか
交野市がヤギ除草に注目した背景には、人件費と燃料費の高騰がある。従来の草刈り作業では、複数の職員や委託業者が必要で、刈った草の収集や処分にも手間がかかっていた。
ヤギは1日中草を食べ続けることで自然と雑草を減らしてくれるうえ、作業時間が柔軟で、人手も大きく削減できる可能性がある。市の担当者は「除草の質、スピード、費用、環境負荷のすべてを比較しながら、導入の可否を判断していく」と話している。
このような「ヤギ除草」は、すでに他の自治体でも導入事例が増えており、公園や河川敷、堤防、企業敷地などでも活用されつつある。交野市としても、今後の拡大を視野に、効果測定と課題の洗い出しを行うという。
地域の教育やふれあいの場としても注目
今回の実証実験では、単なる除草効果だけでなく、地域の子どもたちとのふれあいという副次的な効果にも注目が集まっている。実際、実験に合わせて地元小学校の児童がヤギと交流する機会も設けられ、「かわいい」「除草頑張って!」といった声が寄せられていた。
子どもたちはヤギとのふれあいを通じて、生き物の役割や自然との共生、環境保全の大切さを学ぶ機会にもなっており、教育的な波及効果も期待されている。市としても、除草だけにとどまらず、「動物を活用したまちづくり」という新たな可能性を探るきっかけとして注目している。
実験は10月下旬まで、平日の午前10時から午後4時までの間に行われており、天野川緑地を訪れればヤギたちの働く姿を実際に見ることができる。
ヤギ除草は「効率化」と「癒し」を兼ね備える
機械と人手による除草作業は即効性が高く、整備も行き届きやすい一方で、費用や環境負荷が避けられない。対してヤギ除草は、時間はかかるが自然と共生しながら維持管理ができるという強みを持つ。
今後の自治体経営では、「安く・効率よく」だけでなく、「地域に喜ばれる・愛される」仕組みが求められる中、今回の取り組みはその両方を満たす可能性を秘めている。
交野市の小さな実証実験が、今後の持続可能な都市運営モデルの一歩となるか、全国の注目が集まっている。